2022年高等学校教諭就職者数ランキング
写真=日本大学 文理学部
今回は高等学校教諭の就職者が多い大学を紹介する。高等学校教諭輩出のために、各大学ではどのような取り組みが行われているのか。順に見ていこう。
1位は日本大学で140人。文理学部教育学科では、7つの分野にまたがるカリキュラムから学びたい科目を自由に選択し、教育について総合的に学習する。同学科では社会、公民各教科の中学校・高等学校教諭一種免許状の取得が可能だが、そのほかに他学科の授業を聴講して必要な単位を取得することにより、地歴、国語、書道、外国語(英語、ドイツ語、中国語)、理科、数学、保健体育、宗教、情報の各教科(一種および二種)の免許を取得することができる。これは、人文系・社会系・理学系の3系統18学科を擁し、総合的かつ学際的な学びを提供する文理学部ならではの学びといえるだろう。
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2022年就職者数ランキング
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6位は早稲田大学で63人。1949年に私立大学で初めて設置された教育学部は、文系、理系からなる7学科2専攻7専修を擁する総合学部として、多様性に満ちた教育環境を形成している。教員養成を主目的の一つとしながら、教員免許の取得を卒業要件としないのも特徴だ。1年次から各学科・専攻・専修に所属し、専門科目を中心とした4年一貫教育で学び、教員志望の学生には教職課程で1年次から教職教育を行う。また、7学科2専攻7専修を横断した形での科目選択も一定程度可能とし、教員以外にも実社会で指導者となる人材や、大学院における研究者の養成など、広く「教育者」を育成するカリキュラムが用意されている。
7位は東京理科大学で60人。同大は1881年の創立当時から、真に実力を身につけた学生のみを卒業させるという「実力主義」を貫き、現在も指定科目の単位取得を進級条件とする「関門制度」がある。これは、専門的な研究をするには堅固な基礎知識が必須であるという考えによるものであり、学生を振り落とすのではなく、学生を真剣に育てる制度だ。こうした環境下で実力をつけた卒業生は、教員としても数多く活躍している。教員養成においては、「教職教育センター」が中心となって教職課程の学びや教育実習、採用試験対策まで、教員を目指す学生に対して1年次から各段階に応じた支援を行っている。
<表の見方>
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医科・歯科の単科大等を除く全国743大学に2022年春の就職状況を調査。558大学から得た回答を基にランキングを作成した。就職者数には臨任・非常勤を含む。
設置の※印は国立、◎印は私立、無印は公立。大学名横の*印は大学院修了者を含むことを表す。大学により、一部の学部・研究科を含まない場合がある。