改革力が高い大学ランキング2023(北海道・東北編)

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改革力が高い大学ランキング2023(北海道・東北編)

写真=東北大学

多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「改革力が高い大学ランキング(北海道・東北編)」だ。

1位は東北大学で336ポイント。2位に9倍近いポイント差をつける圧倒的な支持を得た。学部を越えた横断的な融合研究が特徴で、早くから総合型選抜(旧AO入試)を積極的に導入して意欲の高い学生を集めてきた大学だ。同大は2000年、筑波大学、九州大学とともに国立大学で初めてAO入試を導入。その後は段階的に実施学部を増やし、2009年に全学部へと拡大した。現在は筆記試験を課す「AO入試Ⅱ期」と、大学入学共通テストを課す「AO入試Ⅲ期」で、募集人員の約3割を占める。AO入試で入学した学生の入学後の成績は、一般選抜で入学した学生の平均を上回るという。長年の取り組みで学習意欲やポテンシャルが高い学生の獲得に成功している、入試改革の代表的な成功事例だ。



2位は北海道大学で38ポイント。3位は国際教養大学で17ポイント。4位は会津大学で7ポイント。5位は東北学院大学で6ポイント。東北学院大学は東北最大の私立総合大学。知識と能力を兼ね備えた人材を輩出するために教育内容の充実を図り、社会に求められる人材育成のための改革を進めている。大きな変化が続く時代の要請や地域の課題に応えるため、2023年に地域総合学部、情報学部、人間科学部、国際学部の4学部を新設。さらに五橋キャンパスを新たに開設し、既存の学部を含めた全学部を仙台市中心部に集約。文系・理系を問わず全学生に文理融合の教養教育を行う体制が整った。「教養教育センター」を中心に主体的学修であるアクティブラーニング科目を強化し、より洗練された論理力、リテラシー、幅広い知識の修得を目指すことに加え、数理・AI・データサイエンス教育にも力を入れている。



6位は北海道教育大学、宮城教育大学、福島大学、公立千歳科学技術大学、富士大学が5ポイントで並んだ。このうち、公立千歳科学技術大学は、千歳市の産学研究や地域活性化の拠点を目指すとともに、時代の変化に対応できる技術者を養成する大学だ。もともと光科学の分野でトップレベルの研究・教育を行ってきた同大は、通信・土木・生物・生命など複数の学問分野を融合させた技術を生み出す人材を育成するため、2016年に理工学部を開設。複数領域を横断的に学ぶ環境で、一つの専門に固執せずに広い視野で本質を理解する教育を行っている。また同大がある千歳市は、次世代半導体の開発・製造を行うRapidus(ラピダス)から世界規模の製造拠点となる工場予定地として選定された。今後ラピダスとの連携が進むことで、同大の研究力の向上や学生の興味・関心を高めていくなど、大学教育にも良い影響がありそうだ。

<表の見方>

全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、645校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
学校名の※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。

 

改革力が高い大学ランキング2023(北海道・東北編)

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