改革力が高い大学ランキング2023（関東・甲信越編東京は除く）

ランキング 2024.03.22

写真＝千葉工業大学

多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「改革力が高い大学（関東・甲信越編）」だ。

1位は千葉工業大学で85ポイント。日本最古の私立工業大学として1942年に創立した同大は、アジア全体の工業力を高めるという使命のもと、中堅技術者を育成してきた。また、未来ロボット技術、惑星探査、人工知能、次世代海洋技術など、最先端の分野で大学の枠を超えた研究を行い、未来の暮らしをつくる革新的な技術を生み出している。近年は、IT技術者の育成という新たなテーマに取り組み、2024年4月には「情報変革科学部」と「未来変革科学部」を新設する。この2学部では、全学生に「数理・データサイエンス・AIプログラム」を実施し、課題解決型の教育プログラムや実践的な研究を通して、単なるIT技術者ではない、情報科学と社会科学の融合的思考をもって社会をリードする人材を育成する。

2位は筑波大学で83ポイント。創基150年を迎えた2022年4月、「研究力」「社会との連携」「国際協働」の3つの領域が高く評価され、指定国立大学法人となった。研究型総合大学として、産官学の壁を超えたニーズドリブン型共同研究を重視し、2023年からは「IMAGINE THE FUTURE. Forum（ITF.F）事業」をスタートさせた。これは、同大の特徴である学際性を発揮した総合的な研究力によって、企業や社会の課題を解決し、社会実装までつなげる産学連携の画期的な拠点を設置する事業で、2027年に竣工する予定だ。同大と企業が共同で開発・研究、実証実験に取り組める施設を目指しており、こうした施設の設置・運営は国立大学法人では初めてだ。

3位は千葉大学で32ポイント。2024年4月に「情報・データサイエンス学部」と「大学院情報・データサイエンス学府（後期3年博士課程）」を新設する。データサイエンスの基幹的技術に対応する情報工学系専門科目群から構成される実践的なカリキュラムを、全学的な連携のもと構築・展開する。また、国際教養学部のさらなる発展を目指して国際学術研究員を設置し、全国初の学位プログラム「総合国際学位プログラム」が始動した。人文公共学府、融合理工学府と連携して既存の学問分野を超えた教育課程を実施し、修了者には修士（学術）の学位を授与する。さらに、海外3大学に千葉大学キャンパスを設置するほか、学部・大学院生全員の留学を推進するなど、グローバル社会で活躍する人材育成のための改革を推進している。

4位は神奈川大学で12ポイント。2023年に創立95周年を迎えた同大。近年は、みなとみらいキャンパスの新設や、学部学科の新設・再編といったさまざまな改革を進めている。2022年の建築学部開設に続いて、2023年4月には横浜キャンパスに情報学部と化学生命学部を新設。理学部は湘南ひらつかキャンパスから移転し、理工系の5学部すべてが横浜キャンパスに集結した。また、全学的なデータサイエンス教育に力を入れており、2022年度から「共通教養データサイエンスプログラム」がスタート。「教養データサイエンス」と初年次教養科目である「FYS（First Year Seminar）」の2科目が設けられ、両方の単位を修得すると、同プログラムの修了者の証としてオープンバッジが与えられる。

＜表の見方＞

全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、645校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
学校名の※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。

改革力が高い大学ランキング2023（関東・甲信越編東京は除く）