写真=中央大学 後楽園キャンパス 新1号館
中央大学は2026年と2027年にかけて学部の再編と新設を進め、変化する社会のニーズに対応した教育体制の強化を図る。
2026年4月には、理工学部の大規模な再編を実施する。現在10学科体制の理工学部は、「基幹理工学部」「社会理工学部」「先進理工学部」の3学部に再編される。基幹理工学部は理学系や応用化学を中心に基礎的かつ幅広い理工学教育を担当し、社会理工学部は環境問題や都市計画、社会課題の解決に取り組む教育を展開する。先進理工学部は機械、電気、情報工学を含む高度な技術分野を担う。キャンパスは引き続き後楽園キャンパスで、教員は理工学術院のもとで連携を保ちながらも、それぞれの学部が機動的に改革や発展を推進できる体制を整える。
続いて2027年4月、多摩キャンパスに新設される「スポーツ情報学部」と「情報農学部」は、それぞれスポーツと農学における情報科学の融合をテーマに掲げる。
スポーツ情報学部は、スポーツ現場でのデータ活用を軸に、映像解析や戦略立案、健康管理に関する教育を行う。単なるスポーツ科学にとどまらず、データサイエンスやITを駆使してスポーツの新たな価値創出に挑戦する。
情報農学部は、農業の現場が抱える人口減少や気候変動の課題に対応し、農学と最新のテクノロジーを融合させることを目指す。アグリテックコースではスマート農業の技術開発を、フードサイエンスマネジメントコースでは食品流通や食文化のマネジメントを学ぶ。いずれも実学志向が強く、学生は早期から農業現場や企業との連携を通じて実践力を養う。農業実習は1年次全員が参加し、現場感覚を身につけることに重きを置く。学びの自由度を高めるアプリ・チャレンジ・プログラムも導入し、自主的に課題を見つけて専門性を突き詰める機会を提供する。
経済学部も2027年4月に再編を行い、「経済学科」と「社会経済学科」の2学科4コース体制に移行する。経済学科ではミクロ経済学やマクロ経済学といった主流派経済理論に加え、データ分析を活用した経済理論の深化を図る。これにより、本質的な経済の仕組みを理解し、データに基づいた意思決定ができる人材を育成する。社会経済学科は、経済学の多様な視点を取り入れ、フィールドワークや社会問題の分析を重視する。数学が苦手な学生でも学びやすく、社会問題に強い関心を持つ人材を歓迎する。
2026年度の入試制度についても変化がある。理工学部の新3学部体制では、先進理工学部が一般選抜で2学科の選択を認められる。また、国際情報学部では英語型に加え数学型の共通テスト併用方式を新設し、得意分野に応じた受験が可能となる。入試会場は、新潟と広島を廃止し、東京、札幌、仙台、千葉、名古屋、大阪、福岡で実施する。