文・人文・外国語系 ─ 2019年学部系統別実就職率ランキング

写真=ノートルダム清心女子大学の模擬面接の様子

リベラルアーツ教育が今後の強みになるか

「文・人文・外国語系」学部で学ぶ内容は、大きく人文科学に分類される。人文科学とは、人間の行動や、その行動の結果起きた事象などを研究し、人間の本質を探究する学問だ。

系統全体の実就職率は87.1％だった。（2019年8月5日現在。参照：2019年学部系統別実就職率ランキング）

この系統では文理融合のリベラルアーツ教育を実践する学部が多い。今後産業構造が変化し、より複雑な課題解決が求められる時代になると、複合的な知識を身につけた「文・人文・外国語系」学部の学生に対する社会からの要請が高まり、実就職率が高まる可能性がある。

トップは昭和女子大・人間文化

表は「文・人文・外国語系」学部の実就職率ランキングだ。トップは昭和女子大・人間文化。卒業生522人のうち就職者が505人、大学院進学者が4人で、実就職率は97.5％となっている。2位はノートルダム清心女子大・文で96.1％、3位は奈良女子大・文で95.3％、4位は安田女子大・文で95.2％だ。ここまで全て女子大だ。

以下、名古屋市立大・人文社会、東京家政大・人文、愛知県立大・外国語、神戸女学院大・文、武庫川女子大・文と続く。

昭和女子大は4度目の登場

トップの昭和女子大は、「国際系」1位で「商・経営系」2位のグローバルビジネス、「家政・生活・栄養系」12位の生活科に続いて4度目の登場だ。
参照：「国際系」　「商・経営系」　「家政・生活・栄養系」

2位のノートルダム清心女子大は、地域密着型の大学として地元企業への就職に強く、岡山県内出身者の90％が地元へ就職している。県外出身者に対してもUターン就職を希望する学生のために、各出身地の企業を訪問し、求人開拓や情報収集を行っている。

8位の神戸女学院大は、大学全体として航空業界への就職に強い。その秘訣はKCエアラインスクール。これまでの実績を生かし、仕事内容から就活まで、航空業界ならではのノウハウをレクチャーする。

9位の武庫川女子大は入学直後の1年次前期にさっそく適性試験を実施するなど、早期のキャリア支援が特徴だ。また、教員就職希望者に対しては「学校教育センター」の教職専門スタッフがサポートする。その甲斐あってか、2019年春の卒業生は幼稚園教諭、保育士、保育教諭、小学校教諭への就職者数でいずれも全国20位以内と高い実績を挙げた。

＜表の見方＞

医科・歯科の単科大等を除く全国735大学に今春の就職状況を調査。545大学から得た回答（1月20日現在）を基に、系統別に学部実就職率上位校を掲載した。卒業者数が80人未満の小規模な学部、通信教育学部、2部・夜間主コースのみのデータは掲載していない。データを未公表、または未集計の大学・学部は掲載していない。

各系統は、主に学部名称により分類したため、学科構成や教育の内容が似ていても掲載していないものがある。例えば、法学科をもつ大学・学部でも学部名に「法」が付かない場合、法学系に掲載していないことがある。

実就職率（％）は、就職者数÷（卒業者数－大学院進学者数）×100で算出。大学院への進学者数が未集計の場合、実際の数値が掲載している値より高い場合がある。

文部科学省では、就職率を「就職希望者数に占める就職者の割合」で算出することを推奨しているため、各大学が公表している就職率と異なる場合がある。ここでは文部科学省が用いる「就職率」と区別するため、「実就職率」という表記を用いた。同率で順位が異なるのは、小数点2桁以下の差による。

大学院進学者数の「－」は進学者がいないか未集計を表す。大学名の△印は国立、◎印は私立、無印は公立を示す。大学・学部名は現在の名称で掲載している場合がある。所在地は大学本部の所在地で学部の所在地と異なることがある。

《文・人文・外国語系》