家政・生活・栄養系 ─ 2019年学部系統別実就職率ランキング

衣食住など生活全般に関わる学問

「家政・生活・栄養系」学部では、衣食住や育児など、人間の生活全般を学問の対象とする。家政・生活系はかつて家庭内の問題解決を主としてきたが、人々のライフスタイルの変化に合わせて徐々に学問領域を広げてきた。現在では政治や経済、社会、自然科学など幅広く関わる学際系としての側面を強くしている。一方で栄養系学部では食品化学や臨床栄養学を学ぶなど、理系としての側面が強い。

系統全体の実就職率は93.7％だった。（2019年8月5日現在。参照：2019年学部系統別実就職率ランキング）

全学部系統の中で最も高い実就職率となっている。衣食住といった生活に関わる財やサービスを提供する企業が多く、採用人数も多いからだろうか。また、管理栄養士などの資格を取得できることも就職に強い要因の１つだ。

中部地方の大学が上位を占める

表は「家政・生活・栄養系」学部の実就職率ランキングだ。トップは岐阜女子大・家政だ。卒業生156人のうち大学院進学者1人を除いた155人全員が就職し、実就職率は100％だ。2位は名古屋文理大・健康生活で98.9％、3位は仁愛大・人間生活で98.4%、4位は名古屋学芸大・管理栄養で98.3％と、中部地方の大学が上位を占めている。

5位以下は九州栄養福祉大・食物栄養、ノートルダム清心女子大・人間生活、東海学園大・健康栄養、静岡県立大・食品栄養科、安田女子大・家政、広島女学院大・人間生活と続く。

実就職率100％を達成した岐阜女子大のキャリア支援

岐阜女子大・家政が実就職率100％を達成できたのは、手厚いキャリア支援の賜物だといえる。少人数であることの強みを生かし、学生一人ひとりと向き合って個々の事情や価値観などを考慮しながら満足の行く就職先をマッチングさせることに重点を置いた指導を行っている。また、地元での就職を希望する学生が多いことから、地域の企業を多数訪問し企業との結びつきを強めている。文化創造学部も含めた大学全体の数値だが、卒業生の出身地域への就職率は82％だ。

仁愛大学人間生活学部健康栄養学科の学生＝写真

３位の仁愛大・人間生活は健康栄養学科と子ども教育学科の２学科制だ。どちらの学科も管理栄養士・栄養士や幼稚園教諭・保育士など専門職への就職が多い。また教員を含めた公務員就職者数も多いという特徴がある。

＜表の見方＞

医科・歯科の単科大等を除く全国735大学に今春の就職状況を調査。541大学から得た回答（10月15日現在）を基に、系統別に学部実就職率上位校を掲載した。卒業者数が80人未満の小規模な学部、通信教育学部、２部・夜間主コースのみのデータは掲載していない。データを未公表、または未集計の大学・学部は掲載していない。

各系統は、主に学部名称により分類したため、学科構成や教育の内容が似ていても掲載していないものがある。例えば、法学科をもつ大学・学部でも学部名に「法」が付かない場合、法学系に掲載していないことがある。

実就職率（％）は、就職者数÷（卒業者数－大学院進学者数）×100で算出。大学院への進学者数が未集計の場合、実際の数値が掲載している値より高い場合がある。

文部科学省では、就職率を「就職希望者数に占める就職者の割合」で算出することを推奨しているため、各大学が公表している就職率と異なる場合がある。ここでは文部科学省が用いる「就職率」と区別するため、「実就職率」という表記を用いた。同率で順位が異なるのは、小数点2桁以下の差による。

大学院進学者数の「－」は進学者がいないか未集計を表す。大学名の△印は国立、◎印は私立、無印は公立を示す。大学・学部名は現在の名称で掲載している場合がある。所在地は大学本部の所在地で学部の所在地と異なることがある。

《家政・生活・栄養系》