就職に力を入れている大学ランキング2022(近畿編)
写真=立命館大学
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「就職に力を入れている大学ランキング(近畿編)」だ。
1位は立命館大学で39ポイント。1学年の在学生数が7,800人を超える総合大学でありながら、就職決定率95.5%、進路把握率98.3%という同大では、単に「就職する」ことだけでなく、「どう生きるのか」「どう働くのか」も含めて早期からの取り組みを重視し、学生が将来のビジョンを設計できるキャリア教育を展開。インターンシップをはじめとする多様な就職支援プログラムやUターン就職支援などを実施している。有名民間企業への就職のほか、資格取得や難関試験合格をめざす学生のサポートにも力を入れており、2022年度は国家公務員総合職に63人、司法試験に19人が合格。キャンパス内で受講できる講座のほか、資格取得を奨励する奨学金制度を設けている。
2位は近畿大学で34ポイント。3年生の就活への士気を高める「就職活動決起大会」は、厳しい就職活動を教職員も一体となって乗り越えるための出陣式で、同大の名物イベントだ。また、卒業後の進路に対してアプローチが必要と思われる学生に絞り、個別支援を行うことで就活の出遅れを防ぐ「TSUNAGUプロジェクト」も同大独自のプログラム。留年生・留学生を対象に、就活に対する不安を早期からの個別サポートで解消する「スタートアップサポート制度」、就活がうまく進まず不安を抱える学生に個別のアドバイスを行う「リスタートサポート制度」、最終学年の秋時点で進路未決定の学生を対象に、若手職員が身近な理解者として相談を行う「キャリアアシスタント制度」の3つの支援制度を用意している。
3位は大阪工業大学で27ポイント。毎年トップレベルの就職実績で、実就職率ランキング(卒業生数1000人以上3000人未満の大学)では全国国公私立大学で第4位、関西の私立大学では13年連続第1位となった。こうした状況は理工系学部だけでなく、文系の知的財産学部も同様で、「2022年実就職率学部系統別編(法学系)」ランキングで全国第2位となった。その背景には伝統の実践教育がある。例えば、工学部機械工学科3年次の授業「開発プロセス発展演習」では、企画・設計・加工・組立・分析・評価に至るものづくりの一連の流れを実際に体験することで、ものづくりの難しさや面白さを体得しながら技術者としての素養を身につける。こうした社会で活躍するための実践力と情熱を育む取り組みが社会から評価されている。
4位は関西学院大学で15ポイント。同大では、教職員が一丸となってキャリア支援に取り組むことで、総合大学の中でも毎年トップクラスの就職率を実現させている。学生の人生観や職業観を養う「ライフデザイン」科目や、民間企業希望者の多くが受講するキャリアセンターの「キャリア支援プログラム」、国家資格やTOEICといった試験対策に役立つ「エクステンションプログラム」など、独自のカリキュラムやプログラムを多数用意。各分野で活躍している卒業生から話を聞く「KGキャリア入門」は、学生生活をどのように過ごすのかを考え、1年次から将来の夢への道のりを具体的に描いていくきっかけとなっている。さらに、全学生が受講できる正課科目としてアントレプレナー育成プログラムも設置している。
5位は甲南大学で14ポイント。同大では、低学年次からなりたい自分をイメージして具体的な行動に移せるよう、1・2年次は正課授業のキャリア科目に加え、実際に社会を体感する「会社見学ツアー」などさまざまな講座を用意。3年次以降は実際の就職活動に合わせたスケジュールで、採用選考対策や会社説明会といったさまざまなプログラムでの支援を行っている。また、理系学生や体育会所属学生のための支援講座、UIJターン就職支援、公務員を目指す学生の支援など、一人ひとりのニーズに合わせたキャリア支援も実施。さらに、全学部の学生が選択できる「キャリア創生共通科目」では、民法・商法やビジネス法務、会計・簿記、IT、ビジネス英語など、キャリア設計に必要な学びを提供している。
<表の見方>
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全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、624校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
設置の※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。