写真＝大阪大学
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「入学後、生徒を伸ばしてくれる大学ランキング（近畿編）」だ。
1位は京都大学で74ポイント。同大では、すべての学部で開講数3090（876科目）にも及ぶ「教養・共通教育」を実施。学科やコースなど専門分化された課程における「学部専門教育」を履修する前、あるいは並行して、文理を問わない専門外の分野を含め、人類の叡智や学問が成り立ってきた筋道を幅広く学習する。これを提供する国際高等教育院は2013年に設立された同大独自の組織で、教育の国際化に向けた主導的な役割も担っている。学部生を対象にした「国際高等教育院国際教育プログラム」では、英語を使った全学共通科目の履修に加え、「Kyoto iUP（留学生向けの教育プログラム）」を受講している留学生とのグループワークやプレゼンテーションを通じて英語で議論する力と異文化理解の精神、多様なものの見方や考え方を身につけ、さらに海外留学の経験を積むことで真の国際性を涵養する。
2位は大阪大学で30ポイント。同大では、21世紀のグローバル社会において活躍する人材を輩出するため、従来の価値観や能力にとらわれない多様な資質を有する学生の受け入れが重要であると考え、一般選抜とは異なる観点で「総合型選抜」または「学校推薦型選抜」を全学部で実施。将来のグローバルリーダーの卵である意欲的な人や、グローバル社会の下で活躍できる優秀な人材をより多様に集めることを目指している。また、ダイバーシティ＆インクルージョンの推進にも力を入れており、2021年9月に「大阪大学ダイバーシティ＆インクルージョン推進宣言」を公表。障がい学生への配慮やサポートはもちろん、多様性の尊重と包摂に向けた多角的な取り組みや、ジェンダー平等に向けた均等支援などすべての学生・教職員に対してアドバイスや情報の提供を行っている。
3位は近畿大学で22ポイント。
4位は16ポイントで立命館大学と大阪工業大が並んだ。
立命館大学では、学生の学びあい（ピア・サポート）を推進しており、学生のコミュニティがあらゆるところに存在している。特に、「オリター（エンター）」制度は、同大のピア・サポートの起源とも言えるものであり、2回生以上の学生たちが初年次小集団クラスにおいて、新入生を学習面だけでなく学生生活面でも支える活動を行っている。多くの学生が大学の支援も活用しながら日常的に助け合うことを通じて、主体性を身につけながら成長する体験を積んでいるのだ。こうしてサポーターの助けを借りて大学での学びをスムーズに進めることができた学生は、その後支援する側となることで新たな学びを得て成長できるという、大学全体で学びあえる環境が整っている。
大阪工業大学は、AI・IoTを含む急速なロボット化が進む現代の変化に対応するため、専門知識や技術力だけでなく、魅力的な製品やシステムを生み出す革新的な発想やユーザ視点に立ったデザイン思考力を育んでいる。ロボティクス&デザイン工学部では、機械、電気・電子、情報、建築、プロダクトデザインなど幅広い分野の技術者および専門的職業人育成のため、最新の技術・設備を取り入れた実践的な教育を展開。また、1年次は担任制度を導入し、学科により1人の教員が10数人の学生を担当するなど、安心して学べるフォロー体制を整備。教育センターでは工学系の基礎学力となる数学・物理・英語のサポートをはじめ、学生個々の疑問や不安にも丁寧に対応するなど、きめ細かな支援を行っている。
＜表の見方＞
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全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、624校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
設置の※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。
