面倒見が良い大学ランキング2023(東京編)
写真=武蔵大学
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「面倒見が良い大学ランキング(東京編)」だ。
1位は武蔵大学で166ポイント。14年連続で1位となった同大は、4年間必修の「ゼミ」を中心とした少人数教育で「ゼミの武蔵」として知られる。開学時からの伝統である少人数教育は、学生が主体的に自らの進路を考え、決定していくキャリア支援にも生かされている。また、キャリア支援センターには、キャリアコンサルタントの有資格者など経験豊富な職員が常時在籍し、就職活動が本格化する3年次には全員に個別面談を実施。内定を獲得した4年生も質問や相談に応じるなど、一人ひとりに合ったサポートを行っている。また、実践的な就職支援プログラム「武蔵しごと塾」では、本番さながらの模擬面接や卒業生との多業種交流会を通して就業観を高めながら、就職活動で生かせる表現力を磨いている。
2位は東京理科大学で110ポイント。真に実力を身につけた学生だけが卒業できる創立時からの教育方針「実力主義」は、いまや同大の教育を象徴する言葉となっている。学部ごとに定められた指定科目「関門科目」の単位取得が進級条件の「関門制度」は、専門的な研究を行う上で堅固な基礎知識が必須であるという考えによるもので、学生を振り落す制度ではなく、学生を真剣に育てる制度だ。加えて、クラス担任制を敷くほか、新入生をサポートするため、専門研修を受けた2年次以上の学生が「学習相談室」に常駐。基礎科目である数学、物理、化学についてアドバイスを行うなど、厳しいだけではない、きめ細かな学習支援体制も特色だ。
3位は明治大学で85ポイント。同大は、文系7学部・理系3学部の計10学部28学科を有し、3万人を超える学生が学ぶ大規模総合大学だ。その一方、全学部の授業科目のうち、履修人数が30人未満の科目数が54.5%(2022年度)と半数以上を占める、大規模ながらも少人数教育を実現している。10〜20人程度で行われるゼミ(演習)形式の授業も1・2年次から開始し、コミュニケーションやプレゼンテーションのスキルを高めることができる。また、所属学部以外の授業が受けられる「他学部履修制度」や、国際社会やビジネス・専門実務など多様なテーマを学ぶことができる「全学共通総合講座」を用意。さらに語学や情報系科目など、興味に応じて幅広く学べる機会を提供している。
4位は東京大学で84ポイント、5位は産業能率大学で69ポイント。産業能率大学は、産学連携などのプロジェクト型の学びが特徴だが、キャリア支援においても学生一人ひとりの成長をサポートするさまざまな取り組みを行っている。1年次から「キャリアサポート授業」を必修とし、4年次まで段階的に自らのキャリアについて考え、納得のいく進路選択のためのキャリア設計・支援プログラムを展開。また、ゼミ教員とキャリアセンターの担当職員が連携して、学生を支援するダブルサポート体制を整えている。このほか、教員の約7割を企業出身者が占めていることも同大の特色の一つだ。学生は教員との対話や学びを通して仕事や企業について理解を深め、社会人としてのマインドを身につけている。
<表の見方>
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全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、645校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
学校名の※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。