改革力が高い大学ランキング2023(全国編)
写真=早稲田大学
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「改革力が高い大学ランキング(全国編)」だ。
1位は早稲田大学で356ポイント。創立150周年に向けて策定された“WASEDA VISION 150”のもと、「研究の早稲田」「教育の早稲田」「貢献の早稲田」を3本の柱に「世界で輝くWASEDA」の実現に向けて着実に歩みを進めている。その原動力の一つが「グローバルエデュケーションセンター(GEC)」によって体系化された全学部共通の教育プログラムだ。注目したいのは、ビッグデータの解析や統計学などを扱う「データ科学入門」に代表されるデータ科学関連科目を、1学年約8900人のうち8割を超える約7500人が履修している点だ。独自の「データ科学認定制度」もスタートするなど、文理を問わず重要度が高まるデータ科学を学ぶ環境の整備が進む。同大が推進する文理融合型教育を象徴する取り組みの一つだ。
2位は東北大学で336ポイント。国内トップレベルの研究力を持つ同大は、コロナ禍でも海外の優れた研究者との国際共同研究を推進するために、2020年度にいち早くオンラインを活用した「海外クロスアポイントメント制度」を創設。特に力を入れている「材料科学」「スピントロニクス」「未来型医療」「災害科学」の4領域で、ワシントン大学、UCL(ユニバーシティカレッジロンドン)、ケンブリッジ大学などの研究者と共同研究を展開している。また、研究施設や機器の共用促進と研究設備を運営する技術専門人材の育成を一体的に実施する「コアファシリティ統括センター」を設置。国内外のあらゆる研究者が、場所や時間の壁を越えて同大の最先端設備にアクセスできる環境の整備を進めている。
3位は近畿大学で258ポイント。同大は長期ビジョン2030で「時代の変化に対応し、選ばれる教育機関であり続ける」ことを掲げ、「常に革新的である」「社会の役に立つ」「期待され応援される」の3つを行動指針として挙げる。中期計画には「学生の満足度向上を意識した教育及び各種サービス等の提供」が明記されているが、これまでにも、入試の完全ネット出願への移行や、国際学部(2016年開設)に「ベルリッツ」の語学学習プログラムを導入、ビジネスコミュニケーションツール「Slack」を全ての学生・教職員に利用を拡大するなど、数々の日本初の試みを行ってきた。改革を続ける姿勢は受験生からも高く評価されており、一般選抜志願者数は2023年度まで10年連続で全国1位だ。
<表の見方>
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全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、645校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
学校名の※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。
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