研究力が高い大学ランキング2023(全国編)

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研究力が高い大学ランキング2023(全国編)

写真=東京大学

多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「研究力が高い大学(全国編)」だ。

1位は東京大学で1147ポイント。1877年に創設された日本で最も古い国立大学であり、10学部、15の大学院研究科・教育部、11の附置研究所などを擁する。文系、理系、文理融合型など幅広い研究の拠点である附置研究所では、「医科学」「地震」「東洋文化」「社会科学」「生産技術」「定量生命科学」「大気海洋」といった各分野における研究の成果を広く社会に還元するとともに、大学院の教育機関として優れた人材を育成。現在進行中の産学共創協定は10件を超え、研究・教育の成果を事業化するスタートアップ企業の創出にも力を入れている。本郷、駒場、柏の各キャンパスには、東京大が保有する特許などの知的財産をもとに起業という形で事業化を目指す人向けのインキュベーション施設を設置し、各種事業支援のほか、実験設備「共用バイオ実験室(シェアラボ)」などを提供している。



2位は京都大学で968ポイント。1897年の創立以来、10の学部のほか、学部を持たない6つの独立研究科や、実務家養成を目的とする4つの専門職大学院を含む20の大学院、12の研究所を設置。11人のノーベル賞受賞者数はアジアの大学で最も多く、「自由の学風」のもとに独創的な学術研究がなされている。近年は、若手研究者を支援するとともに、女性研究者を増やすことを重視したさまざまな取り組みを推進。中でも「白眉プロジェクト」は、ひときわ優秀な若手研究者に5年間研究に没頭できる環境を提供する。国籍を問わず、博士の学位を有する者*を対象に、あらゆる分野から国際公募を実施。2022年度は283人の応募があり、11人の女性研究者を含む20人をグローバル型白眉研究者として採用した。
*博士の学位を取得した者と同等以上の学術研究能力を有する者を含む。

3位は東北大学で713ポイント。同大は2023年9月、文部科学省が進める、世界トップレベルの研究力を目指す「国際卓越研究大学」の認定候補第1号に選定された。今後、研究等体制強化計画のさらなる精査を経て、2024年度に最終決定となる。また、コロナ禍においても海外の優れた研究者との共同研究を推進するため、2020年度にオンラインを活用した海外クロスアポイントメント制度を創設。同大が特に強みを持つ「材料科学」「スピントロニクス」「未来型医療」「災害科学」の4領域で自主財源を投入し、ワシントン大学やUCL、ケンブリッジ大学などと共同研究を展開している。このほか、「若手リーダー研究者海外派遣プログラム」など、若手研究者支援にも力を入れている。



4位は東京工業大学で330ポイント。2016年に日本で初めて学部と大学院を統一した「学院」を設置し、学士課程と修士課程、博士後期課程を継ぎ目なく修学できるシステムを構築した。理学院、情報理工学院、物質理工学院、工学院、生命理工学院、環境・社会理工学院の6学院のほか、全課程を通して深い教養や豊かなコミュニケーション力を身につけるリベラルアーツ研究教育院を設置し、研究のさらなる質の向上を目指している。また、生命が生まれた初期地球の環境をもとに地球・生命の起源を解明する「東京工業大学地球生命研究所(ELSI)」は、世界トップレベルの研究拠点の形成を目指す文部科学省の「WPIプログラム」に採択。英語でのサポートや恵まれた研究設備など世界中から優秀な研究者が集まる理想的な研究環境を整備している。

5位は大阪大学で241ポイント。同大では、免疫学や量子情報・量子生命、生命医科学融合、共生知能システムなどの卓越した学術領域の研究拠点を形成するため、「世界最先端研究機構」や「先導的学際研究機構」などの枠組みを構築。2022年度に世界で初めてヒューマン・オルガノイド生命医科学と情報・数理科学の本格的な融合に取り組む「ヒューマン・メタバース疾患研究拠点(PRIMe)」を設置した。多様な研究機関・大学と連携して国際的に研究を進めていることも特徴で、「すべての病気の克服」を目指す研究ハブ拠点として活動を展開している。また、産学連携での「未来社会共創コンソーシアム」をはじめ、スタートアップや在学中に起業を目指すイノベーション人材の育成など、さまざまな取り組みを推進している。



6位は名古屋大学で146ポイント、7位は筑波大学で138ポイント、8位は九州大学で102ポイント、9位は東京理科大学で99ポイント。

9位の東京理科大学は、「理学の普及をもって国運発展の基礎とする」を建学の精神に、その研究分野は理学、工学、薬学、生命医科学、経営学と多岐に渡っており、時代とともにアップデートを重ねている。「宇宙システム工学・航空宇宙工学」「環境に優しい次世代電子デバイス」「人工知能(AI)」など、学部・研究科がそれぞれ世界レベルの独創的な研究を展開するとともに、総合研究院では学問分野の壁を取り除いた「理科大ならではの融合的連携研究」を推進。SDGsが示す地球規模の課題の解決に協働して取り組んでいる。さらに、データサイエンスがSDGsのみならず、あらゆる課題に新たなイノベーションをもたらすと考え、全学生を対象に学部横断型の「データサイエンス教育プログラム」を実施している。

<表の見方>

全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、645校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
学校名の※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。

 

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