写真＝関西外国語大学
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「グローバル教育に力を入れている大学ランキング（近畿編）」だ。
1位は関西外国語大学で61ポイント。50年を超える国際交流の実績を誇る同大は、2023年春、新学部「国際共生学部」と、外国語学部に新学科「英語・デジタルコミュニケーション学科」を開設した。国際共生学部は、全科目をオールイングリッシュで学修。留学生とともに人文科学、社会科学、ビジネス・経済学の3分野を幅広く学び、グローバル市民としての姿勢やマインドを養う。「Experiential Learning」を教育の基盤とし、留学や国内外でのインターンシップなどの実践を通して、グローバル社会が抱える課題の解決に取り組む。また、英語・デジタルコミュニケーション学科は、「英語」と「デジタル」2つの力を備えた人材の育成を目指している。高度で実践的な英語運用能力とデジタルリテラシー、幅広い教養を学び、国際感覚を養う。
2位は42ポイントで京都大学と同志社大学が並んだ。
同志社大学は、2017年4月、協定校であるドイツのテュービンゲン大学内に初の海外キャンパス「同志社大学テュービンゲンEUキャンパス」を開設。翌年には教員交換派遣協定を締結し、2019年度から学生対象の「EUキャンパスプログラム」を開始した。一時期コロナ禍によりプログラムの一部をオンラインで提供していたが、2022年度からは渡航も再開し、現地でのプログラムが実施されている。また、2021年に今出川キャンパス近くに開寮した「継志寮」は、国内学生3名と留学生2名がリビングを共有するユニットで生活し、寮内で多文化共生を実現。ここで暮らす学生は、地域の人や社会との関わりを通した実践学習に取り組む「RLP（Residential Learning Program）」への参加が求められている。
4位は関西学院大学で34ポイント。「世界に開かれ、世界と共生する大学」を目標に、世界の大学・研究機関と学生・教員の相互交流を図っている。57カ国280大学・国際機関とのネットワークを活用した海外研修・留学プログラムに加え、協定大学の講義を国内で受講できるオンライン国際教育プログラムも実施。国連・国際機関での活躍を目指す「国連・外交プログラム」では、実務家教員の指導や海外派遣により、世界市民として国際的な課題解決に貢献する人材を育成する。また、アジアで初めて国連ボランティア計画（UNV）と協定を結び、途上国への学生派遣や、派遣に先立つ「国連ユースボランティア」派遣日本訓練センターの学内設置なども行ってきた。2022年には混住型の国際教育寮が開寮、留学生との生活を通して多様な価値観を学べる場が誕生した。
5位は立命館大学で28ポイント。2019年、大阪いばらきキャンパスに「グローバル教養学部」を開設し、オーストラリア国立大学（ANU）と提携。全ての授業を英語で提供し、4年間の学びの成果として立命館大学とANUの2つの学位を取得できる「デュアル・ディグリー・プログラム」を開始した。また、全学部で教育内容の国際化を進めており、コロナ以前は年間2200名の学生が海外留学を経験。大学間の協定に基づく日本人学生の海外留学派遣者数は、全国でも上位に入る実績を誇る（※）。同大と留学先の大学の学位を最短4年間で取得できる「学部共同学位プログラム（DUDP）」や、1〜2学年間、現地の正規学生と同様に正規科目を受講して単位を取得する交換留学、オンライン留学プログラムなども用意している。
※独立行政法人日本学生支援機構発表
＜表の見方＞
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全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、624校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
設置の※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。
