学習塾が勧める中高一貫校ランキング2021
ICT教育に力を入れている中高一貫校

学習塾が勧める中高一貫校ランキング2021 ICT教育に力を入れている中高一貫校

写真=工学院大学附属中学校・高等学校


首都圏では中学受験人気が継続しているが、コロナ禍で学校の情報が思うように入手できない状況が続いている。そこで役立てたいのがエキスパートの意見だ。首都圏の学習塾にアンケートを実施し、289学習塾の塾長、教室長から回答を得た。項目別に学校を5校連記で記入してもらい、最初の一貫校を5ポイント、次を4ポイント……として集計した。今回は「ICT教育に力を入れている中高一貫校」だ。

1位は工学院大附がランクイン。2位は芝浦工業大柏、3位は広尾学園、4位には開智未来と三田国際学園がランクインした。

1位の工学院大附は、グローバルリベラルアーツと数理情報工学を融合した先進教育「K-STEAM教育」を推進。3Dプリンタや3Dスキャナ、大型モニタや可動ボードなどを設置した「MakeRoom」や「Fabスペース」のほか、各教室には電子ボードとWi-Fiを完備し、課題解決型のアクティブラーニングを実現するICTを活用した学習環境で、現代に必須の情報リテラシーも養われる。また、隣接する工学院大学八王子キャンパスの施設の一部を中高生も利用でき、ラボでの実験授業や、大学教授による特別講座、探究論文のための研究室訪問など、工学院大との包括的連携に基づく教育環境が整っている。

2位の芝浦工業大柏は、1999年の中学開設以来、1人1台のノートPC(現在はタブレット型PC)を全生徒に所持してもらい、さまざまな活動でPCを文房具として活用してきた。中学1年次から全員が校外研修の成果をPowerPointでまとめ、プレゼンテーションを行う活動のほか、中学2年次からは3~5人でチームを組んで一つのWeb作品を作り、その制作過程と成果を競う「全国中学高校Webコンテスト」に全員が参加。これまで17回参加したうち、文部科学大臣賞(全国1位)を5回受賞したほか、総務大臣賞や経済産業大臣賞など、数多くの入賞作品を輩出している。

3位の広尾学園は、サイエンス教育に特に力を入れているが、それにともなう学びの充実や、情報リテラシーを身につけるための指導など、ICTを活用した教育環境の整備にも注力している。生徒たちの創造的な活動の場である「ICTルーム」では、ICT機器のテクニカルサポートや最新の3Dプリンタやレーザーカッターを使った講座などを実施。授業内での教材の配布や課題の提出、自宅学習期間のオンライン授業のほか、委員会や部活動などの連絡手段、また生徒一人ひとりのスケジュール管理や成績の振り返り記録など、学校生活でのあらゆる場面でICT機器が活用されている。

4位の開智未来は、「3I’s(Inquiry=探究活動、International=世界水準の英語発信力、ICT=つなげる知能としてのICT)」を高める教育プログラムで、「知性と人間をともに育てる」をモットーに、「国際社会に貢献する心ゆたかな創造型発信型リーダーの育成」をめざす。2017年度入学生より、1人1台のタブレットPCを導入。毎年2月に1年間の総仕上げとして行われる「未来TED」では、中学1年から高校2年までの各学年代表の生徒が日本語や英語でプレゼンテーションを行い、競い合う。メモに代表される伝統型知性とICTを活用した未来型知性を融合させ、より本質的で先進的な学びを推進している。

同じく4位の三田国際学園は、「BUILD=築き上げる、形成する、将来を描く」をスローガンに、ICTリテラシーを身につけ、テクノロジーを活用することで自己の学びを広げ、深めるためのICT教育を展開。校内にはWi-Fiを完備し、生徒は1人1台のタブレット端末かノートPCを所持して、学習の記録や分析、プレゼン作成などを行っている。教科やクラスの垣根を越えて思考やアイデアを共有するためのディスカッションやプレゼンテーションも積極的に行い、ICT機器を使いこなすだけでなく、新たなツールやサービスの創出への関心を高めるため、プログラミングを基礎から学ぶ講座なども実施している。

<表の見方>

首都圏の学習塾にアンケートを実施し、289学習塾の塾長、教室長から回答を得た。項目別に学校を5校連記で記入してもらい、最初の一貫校を5ポイント、次を4ポイント…として集計した。
※印は国立、無印は公立、◎印は私立を表す


学習塾が勧める中高一貫校ランキング2021 ICT教育に力を入れている中高一貫校