研究力が高い大学ランキング2021(全国編)

研究力が高い大学ランキング2021(全国編)

写真=東京大学

多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「研究力が高い大学(全国編)」だ。

1位は東京大学で702ポイント。1877年に創設された日本で最も古い国立大学である同大には、15の大学院研究科・教育部があり、各分野における研究拠点として、多くの附置研究所が設置されている。附置研究所では、先端医療の開発や地震研究、分子細胞生物学や社会科学研究など、幅広い研究活動を推進。各分野における研究拠点としての役割を果たし、生み出した成果を社会に広く還元するとともに、東京大学大学院の教育機関として、優れた人材の養成にも取り組んでいる。こうした研究・教育を支える附属図書館は、本郷、駒場、柏の各キャンパスのほか、各学部や研究所にも27の部局図書館が設置され、全体での蔵書数は約980万冊。年間約15,700種類の雑誌や、さまざまな電子資料も提供している。また、各専門分野における研究や産学連携の促進を担う全学センターも設置されている。

2位は京都大学で632ポイント。同大はワールドクラスの研究成果を世界に発信している。2016年に設置された「高等研究院(LUIAS)」には、ノーベル賞受賞者、フィールズ賞受賞者を含む世界トップクラスの研究者など、国際的に顕著な功績のある教員を擁する高等研究センター及び、文部科学省の世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)に採択された細胞統合システム拠点(iCeMS)とヒト生物学高等研究拠点(ASHBi)などがあり、国内外から多くの優秀な若手研究者が集う研究ハブとなっている。また、女性研究者の育成にも力を入れており、2008年には人文・社会科学または自然科学の各分野において優れた研究成果をあげた女子学生と若手女性研究者を表彰する「たちばな賞(優秀女性研究者賞)」を創設。女子高校生と同大の女子学生や女性研究者たちが語り合う「女子高生・車座フォーラム」も毎年開催されている。

3位は東北大学で477ポイント。同大では、特に「スピントロニクス」「材料科学」「未来型医療」「災害科学」の4領域について世界最高の研究成果を創出すべく、重点的に整備している。また、2023年の運用開始をめざして「次世代放射光施設」の建設を官民地域パートナーシップで進めており、スピントロニクスの材料開発など世界から研究者が集まる施設となることが期待されている。加えて、若手研究者の育成にも力を入れており、2021年4月に「若手躍進イニシアティブ」を公表し、「若手躍進総合支援パッケージ」を構築した。また、同じく2021年4月にはグリーン未来社会の実現を目的とした「東北大学グリーン未来創造機構」を設置。同大がこれまで推進してきた、東日本大震災からの復興および日本の新生に寄与するプロジェクトなどをさらに発展させていく予定だ。

<表の見方>

全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、739校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。


研究力が高い大学ランキング2021(全国編)