研究力が高い大学ランキング2020(関東・甲信越編)

研究力が高い大学ランキング2020(関東・甲信越編)

写真=北里大学

多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「研究力が高い大学(関東・甲信越編)」だ。

1位は筑波大学で97ポイント。同大では2020年4月に大学院の再編を行い、8研究科85専攻から3学術院6研究群に改組し、教員の所属組織とは独立した組織とした。「人文社会ビジネス科学学術院」「理工情報生命学術院」「人間総合科学学術院」の3学術院では、各分野の高度専門職業人を養成する。細分化した組織構造から脱却し、さまざまな教員が協働することで、専門性の深化とともに学際的な教育・研究や幅広い学修を実践することをねらいとしている。また、文部科学省「卓越大学院プログラム」に「ヒューマニクス学位プログラム」が採択された。このプログラムでは、生命医科学と理・工・情報学の研究分野において、博士レベルの知識・技能と、これらを有機的に融合できる科学的専門能力を持ち、社会に還元できる応用力を備えたリーダー育成を目指している。

2位は北里大学で35ポイント。同大は、世界的な細菌学者であり、日本の近代医学と衛生行政の発展に多大な貢献を果たした北里柴三郎が設立した北里研究所の創立50周年を記念して、1962(昭和37)年に開学した。7つの学部(理、獣医、海洋生命科、薬、医、看護、医療衛生)と2つの併設校、附属施設の3病院と東洋医学総合研究所、感染症研究を柱とする大村智記念研究所のほか、八雲牧場や三陸臨海教育研究センターなど、多様な教育・研究機関を有している。同大では、伝染病との闘いに成果を挙げた学祖・北里柴三郎から、2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智へと続く感染制御の伝統や創薬の実績を踏まえ、2020年3月に「COVID-19対策北里プロジェクト」を立ち上げ、国内外の既存承認薬の探索研究の実施をはじめとした複数のプロジェクトを全学で進めている。

3位は千葉工業大学で18ポイント。「世界文化に技術で貢献する」を建学の精神とする同大は、日本最古の私立工業大学だ。創立時から工学教育・研究に力を入れ、常に変革を続けている。「未来ロボット技術研究センター(fuRo)」「惑星探査研究センター(PERC)」「人工知能・ソフトウェア技術研究センター(STAIR Lab)」「国際金融研究センター(GiFr)」「次世代海洋資源研究センター(ORCeNG)」「地球学研究センター(Geo-Cosmo Inst.)」の6つの研究センターは、同大の高い研究力を象徴する存在だ。また、未来ロボティクス学科の学生を中心に活動する「CIT Brains」は、ロボットサッカーの世界大会「ロボカップ」のヒューマノイドリーグキッドサイズ部門「テクニカチャレンジ」で7連覇を達成するなど、学生もさまざまな場で成果をあげている。

<表の見方>

全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、910校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
大学名の◎は私立、※は国立、無印は公立を表す。


研究力が高い大学ランキング2020(関東・甲信越編)