研究力が高い大学ランキング2020(北海道・東北編)
写真=東北大学
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「研究力が高い大学(北海道・東北編)」だ。
1位は東北大学で625ポイント。同大は「東北大学ビジョン2030」の中で「研究の変革」として、ポストコロナ時代のレジリエントな社会構築に向けた研究推進や国際共同研究コミュニティ形成と若手研究者の活躍を促進するとした。2020年度は「ポストコロナ社会構築研究スタートアップ支援」の公募や、COI(センター・オブ・イノベーションプログラム)東北拠点によるコロナ禍に対応した研究活動、データ駆動科学オンラインセミナー開催などに取り組んだ。新型コロナウイルス関連以外では、同大の強みを発揮する「材料力学」「スピントロニクス」「未来医療科学」「災害科学」の4領域を選定し、世界最高の研究成果を創出すべく重点的に取り組んでいる。また、青葉山キャンパスの整備においては、農学部・農学研究科の移転に続いて2033年の運用開始を目指した「次世代放射線施設」の建設を官民地域パートナーシップで進めている。脳の神経回路の可視化といった医学領域をはじめ、スピントロニクスの材料開発など世界から研究者が集まる施設となり、グローバルイノベーションキャンパスとして発展することが期待されている。
2位は北海道大学で53ポイント。国立大学では最多の12学部・21大学院を有する同大では、多様な研究が行われている。長年、地球惑星科学の研究・教育に携わり、同位体顕微鏡を世界で初めて開発するなど国際的に活躍する理学研究院の圦本(ゆりもと)尚義教授や、竹が軽さと丈夫さを併せ持つ理由を構造・材料力学的に解明し、文部科学省科学技術・学術政策研究所の「ナイスステップな研究者」に選ばれた工学研究院の佐藤太裕教授など、各分野の第一人者が研究活動を行っている。また、同大は農業に関する知識や技術の提供により、食料生産に貢献していることが高く評価され、「THE(タイムズ・ハイヤー・エデュケーション)大学インパクトランキング2020」の総合ランキングで国内第1位となった。農学研究院の野口伸教授が開発した農作業を無人化するロボットトラクターをはじめ、持続可能な社会の実現に向けた世界トップレベルの研究推進・社会実装として、北海道を中心とした農林水産業の強靭化を目指し、農林水産業従事者、関連企業、自治体等と連携し、喫緊の課題解決や中長期を見据えた技術革新につながるプロジェクトを進めている。
<表の見方>
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全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、910校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
大学名の◎は私立、※は国立、無印は公立を表す。