看護・保健・医療系 ─ 2019年学部系統別実就職率ランキング

医療系資格の取得をめざす

「看護・保健・医療系」学部は、医療に従事する専門職の養成に主眼が置かれている。入学した学科や専攻により取得できる国家資格が異なり、取得した国家資格がそのまま大学卒業後の進路に直結することが大きな特徴だ。

系統全体の実就職率は92.6％だった。（2019年8月5日現在。参照：2019年学部系統別実就職率ランキング）

対象となる国家資格は、多くの高校生に馴染みのある看護師、保健師のほかに、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などのリハビリテーション職や、臨床検査技師、診療放射線技師、義肢装具士など多岐に渡る。医療系の職種はいずれも地域・社会からの要請が強く、実就職率は全体的に高くなっている。

3学部が実就職率100％

表は「看護・保健・医療系」学部の実就職率ランキングだ。岩手県立大・看護、岐阜県立看護大・看護、京都看護大・看護の3学部が実就職率は100％となっている。4位は看護学部を除くとトップの九州栄養福祉大・リハビリテーションで99.1％、5位は関西医療大・保健看護で99.0%だ。

以下、新潟青陵大・看護、千里金蘭大・看護、鈴鹿医療科学大・看護、四国大・看護と続く。

全国の大学がランクイン

医療系資格があれば全国どこででも仕事がしやすい。そのことを反映してか、ランキングには全国各地の大学が登場する。

北海道では日本医療大、東北では岩手県立大、関東では国際医療福祉大が実就職率トップだ。

東海では、岐阜県立看護大、鈴鹿医療科学大、愛知県立大の3校がトップ10入り。鈴鹿医療科学大は実就職率が98.9％と高いだけでなく、ほぼ全員が希望の総合病院や高度医療を提供する大規模病院、地域の基幹病院へ就職している。

近畿では、京都看護大、関西医療大、千里金蘭大、大阪医科大の4校がトップ10入りした。千里金蘭大は実習先の充実が強みで、大阪・中之島で90年以上の歴史をもつ住友病院と、豊中市の中核病院である市立豊中病院が提携病院となっている。そのほか、大学から至近の距離にある大阪大学医学部附属病院や箕面市立病院などが主な実習先だ。

 

写真＝四国大学看護研修センター

中国・四国では、四国大が実就職率トップだ。徳島赤十字病院の隣に「四国大学看護研修センター」をもっており、実習の準備、臨床講義、カンファレンスなどさまざまなことに活用されている。

九州では九州栄養福祉大が実就職率トップだった。

＜表の見方＞

医科・歯科の単科大等を除く全国735大学に今春の就職状況を調査。544大学から得た回答（12月10日現在）を基に、系統別に学部実就職率上位校を掲載した。卒業者数が80人未満の小規模な学部、通信教育学部、２部・夜間主コースのみのデータは掲載していない。データを未公表、または未集計の大学・学部は掲載していない。

各系統は、主に学部名称により分類したため、学科構成や教育の内容が似ていても掲載していないものがある。例えば、法学科をもつ大学・学部でも学部名に「法」が付かない場合、法学系に掲載していないことがある。

実就職率（％）は、就職者数÷（卒業者数－大学院進学者数）×100で算出。大学院への進学者数が未集計の場合、実際の数値が掲載している値より高い場合がある。

文部科学省では、就職率を「就職希望者数に占める就職者の割合」で算出することを推奨しているため、各大学が公表している就職率と異なる場合がある。ここでは文部科学省が用いる「就職率」と区別するため、「実就職率」という表記を用いた。同率で順位が異なるのは、小数点2桁以下の差による。

大学院進学者数の「－」は進学者がいないか未集計を表す。大学名の△印は国立、◎印は私立、無印は公立を示す。大学・学部名は現在の名称で掲載している場合がある。所在地は大学本部の所在地で学部の所在地と異なることがある。

《看護・保健・医療系》