2023年保育士就職者数ランキング
写真=東京家政大学
今回は保育士の就職者が多い大学を紹介する。保育士を多く輩出している大学では、どのような取り組みを行っているのか。順に見ていこう。
1位は202人の東京家政大学。同大では、60年以上の児童学の教育実績を持つ「児童学部(児童学科)」と、すべての子どもの可能性を引き出す保育者の育成を目指す「子ども支援学部(子ども支援学科)」で、保育士や幼稚園教諭など、子どもに関わる専門家を育成してきた。毎年、多くの卒業生が保育士や幼稚園教諭として就職。公務員試験へのサポート体制も整っており、公立保育所・公立幼稚園にも多くの学生が合格している。両学部ともに幼児教育や保育についての研究や実践に関する専門科目と、多様な実習を用意。キャンパス内にある保育所などでの見学や参加実習を通して乳幼児の健やかな成長を育む援助を学び、学外では幼稚園、保育所、児童福祉施設などでの実習を通じて実践力を身につける。
2位は149人の聖徳大学。児童学部児童学科は、専門性を高める「幼稚園教員養成」「保育士養成」「児童心理」「児童文化」の4コースを設置。独自のカリキュラムと少人数教育で、幼児教育や保育に関する専門的な知識と実践方法、乳幼児の心身の成長・発達を学び、子どもへの援助技術を身につける。また、子どもだけでなくその家族や地域社会にまで視野を広げ、相手の立場に立って考えられる課題解決力や現場での実践力を養う。就職支援にも力を入れ、1年次から始まる「聖徳夢プロジェクト」では、ライフイベントも考慮したキャリアデザイン力を磨く。さらに「夢実現プロジェクト」では、応募書類の書き方から内定者との懇談会まで、少人数での丁寧な指導で社会人基礎力を高める。
3位は116人の桜花学園大学。2023年に120周年を迎えた同大は、2024年から共学となる。保育学部は、全国で初めて学部名に「保育」を冠し、これまで優れた保育士や幼稚園教諭を数多く輩出してきた。「保育学科」は、多様化する現代の教育・保育の課題に柔軟に対応できる教育者・保育者を養成。希望する進路に合わせて、保育士・幼稚園教諭・小学校教諭・特別支援学校教諭の各資格・免許を取得することができる。「国際教養こども学科」は、グローバルな視点を養うための国際的な教養を学び、日本語・英語による高いコミュニケーション能力を身につける。海外への2回の留学と、国内での6回の実習を通して、日本とオーストラリア2カ国で保育・幼児教育に関する3つの資格・免許取得を目指す。
4位は96人の鎌倉女子大学。児童学部児童学科では、保育士と幼稚園教諭、保育士と小学校教諭など、複数の免許・資格の同時取得を推奨しており、幼小連携や幼保一体化の取り組みに対応できる、実践力の高い「子どもの専門家」を育成する。教育、保育、福祉、社会、心理、保健、表現文化の各分野を複眼的に学び、児童だけでなく、乳幼児やさまざまな支援が必要な子どもなど、個々に合わせた指導力を身につける。また、学科独自のキャリア形成支援「教育・保育基礎力育成ワークセッション」では、同大に併設された初等部や県内の特別支援学校の協力のもと、教育現場への理解を深めるための授業参観や、学習指導案の作成講座など、教育実習や保育実習で求められるスキルの向上を図る。
<表の見方>
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医科・歯科の単科大等を除く全国749大学に2023年春の就職状況を調査。564大学から得た回答を基にランキングを作成した(9月20日現在)。
設置の※印は国立、◎印は私立、無印は公立。大学名横の*印は大学院修了者を含むことを表す。大学により、一部の学部・研究科を含まない場合がある。