2023年学部系統別実就職率ランキング(理工系)

2023年学部系統別実就職率ランキング(理工系)

写真=金沢工業大学

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理工系1位は、実就職率100%の金沢工業大のバイオ・化学部と、豊田工業大の工学部がランクイン。3位は実就職率99.5%の富山県立大・工学部、4位は実就職率99.0%の愛知工業大・工学部が続いた。

応用化学やバイオ工学の学びを通して、社会の諸問題を解決する力を養う

1位の金沢工業大のバイオ・化学部は、「応用化学科」と「応用バイオ学科」の2学科を擁している※1。応用化学科では、「環境化学」「エネルギー機能化学」「バイオ・機能化学」の3つの領域を学ぶ。授業では実験を中心に、「分析・測定する」「物質をつくる」「方法を考える」プロセスを軸に学修し、実践的な技術としての応用化学を学ぶことで、さまざまな課題を解決する力を養う。応用バイオ学科では、社会生活に必要な生命科学の技術開発を目標として、「バイオ工学」「脳科学」「遺伝子工学」の3つの分野を学ぶ。生命現象の基礎となるDNAやタンパク質の合成過程、生物の基本機能などを理解し、新たな産業を担う人材を育成する。
※1 2025年4月、環境・応用化学科と生命・応用バイオ学科に名称変更予定。

「企業と創る自立型人材の育成」を目標に、産学一体での教育・研究を実践

同じく1位の豊田工業大・工学部は、「先端工学基礎学科」で「機械システム」「電子情報」「物質工学」の3分野を横断して学ぶことができる。同大はトヨタ自動車の社会貢献活動として1981年に設立された単科大学で、工学を統合的に理解し、複眼的な発想力や問題解決力を身につけた人材を育成してきた。徹底した少人数教育が特徴の一つで、教員1人あたりの学生数は約10人。実習科目は1グループあたり6〜8人で行われている。また、1・3年次には、全学生必修の「インターンシップ」を実施。実習先はトヨタ自動車・三菱電機・ダイキン工業など、30社以上の製造・研究開発部門だ。実習期間は1〜1.5カ月で、学生は企業から提供される実習テーマを選び、課題に取り組む。

最新の研究施設で、ものづくりの面白さを体験しながら先端技術を学ぶ

4位の愛知工業大・工学部は、「電気」「応用化学」「機械」「社会基盤※2」「建築」の5学科を設置し、「電気工学」「電子情報工学」「応用化学」「バイオ環境化学」「機械工学」「機械創造工学」「土木工学」「都市デザイン※3」「建築学」「住居デザイン」の10専攻が用意されている。創立以来の教育指標である「ものづくり」を継承し、ものづくりが盛んな愛知県に位置する工科系総合大学として、グローバルに活躍する人材育成のための実学教育に力を入れている。「学生チャレンジプロジェクト」では、作る場所や材料費、コンテストや大会に参加するための資金を大学が支援。プロジェクトの申請から製作までのプロセスを通じて、学生はチャレンジ精神やリーダーシップ、フォロワーシップなどを身につけていく。
※2 2024年土木工学科より名称変更。
※3 2024年防災土木工学専攻より名称変更。

<表の見方>

医科・歯科の単科大などを除く全国749大学に今春の就職状況を調査。565大学から得た回答(10月10日現在)を基に、系統別に学部実就職率上位校を掲載した。卒業生数が80人未満の小規模な学部、通信教育学部、2部・夜間主コースのみのデータは掲載していない。東京大などデータを未公表、または未集計の大学・学部は掲載していない。大阪公立大は統合前の大阪市立大と大阪府立大の実績を掲載した。
各系統は、主に学部名称により分類したため、学科構成や教育の内容が似ていても掲載していないものがある。例えば、法学科をもつ大学・学部でも学部名に「法」が付かない場合、法学系に掲載していないことがある。
実就職率(%)は、就職者数÷(卒業生数-大学院進学者数)×100で算出。大学院への進学者数が未集計の場合、実際の数値が掲載している値より高い場合がある。
文部科学省では、就職率を「就職希望者数に占める就職者の割合」で算出することを推奨しているため、各大学が公表している就職率と異なる場合がある。ここでは文部科学省が用いる「就職率」と区別するため、「実就職率」という表記を用いた。同率で順位が異なるのは、小数点2桁以下の差による。
設置の※印は国立、◎印は私立、無印は公立を示す。大学・学部名は現在の名称で掲載している場合がある。所在地は大学本部の所在地で学部の所在地と異なることがある。


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