写真＝常葉大学
今回は保育教諭の就職者が多い大学を紹介する。保育教諭とは、保育士資格と幼稚園教諭免許状の両方を持ち、幼保連携型認定こども園で働く職員のことだ。保育教諭を多く輩出している大学では、どのような取り組みを行っているのか。順に見ていこう。
1位は74人の常葉大学。保育学部保育学科（静岡草薙キャンパス）、健康プロデュース学部こども健康学科（浜松キャンパス）で保育士資格と幼稚園教諭一種免許状を、短期大学部保育科（静岡草薙キャンパス）で保育士資格と幼稚園教諭二種免許状の取得が可能で、保育者を目指す学生のニーズに合わせた学びの場とサポート体制を整えている。「幼児教育支援センター」では、保育学部と短期大学部保育科の学生を対象に、実習支援や資格取得の諸手続き、採用試験に向けた相談などに応じている。また、浜松キャンパスには大学が地域に提供する親子教室「ポッケ」があり、専門家の保育を見ながら学びの総仕上げを行う。さらに、保育学部では「認定絵本士」養成講座を開設。現場ですぐに役立つ力を磨くことができる。
2位は39人の神戸女子大学。文学部教育学科の「幼児教育コース」で保育士資格と幼稚園教諭一種免許状の取得が可能だ。地域の教育機関と連携し、早期からインターンシップなど実践の場を用意しており、教育現場の現状や子どもの心の問題など、教育に関する幅広い知識を身につけることができる。2年次には神戸市内の幼稚園や保育所、子ども園などでボランティア活動を行い、子どもの発達を実践的に理解する。3年次には「保育所実習」と児童養護施設や乳児院、障がい児入所施設などでの「施設実習」により、保育技術だけでなく、多様な子どもの成長を支援する方法を学ぶ。4年次には神戸女子大学附属高倉台幼稚園や神女中山手保育園などで1年間の実習を行い、即戦力として活躍できる力を磨く。
3位は37人の甲南女子大学と武庫川女子大学が並んた。
甲南女子大学は、人間科学部総合子ども学科で保育士資格と幼稚園教諭一種免許状が取得できる。「子ども学」を通して子どもに関する知識を深め、楽器演奏や絵本の読み聞かせ、工作などを学び、保育・教育について理解する。小学校教諭一種免許状の取得も可能で、複数資格を取得できるカリキュラムが特徴だ。学科教員や就職支援課による実習や就職へのサポートも充実。併設する「甲南こども園」や「甲南子育てひろば」、里山のツリーハウスなど、子どもと直接ふれあって学ぶ場も数多く用意されている。また、学科開設時から続く音楽劇「総合子どもカーニバル」は、1・２年の学生が脚本作りから大道具制作まで行う表現活動の集大成。企画・運営を通して保育者としての資質を高めることができる。
武庫川女子大学の教育学部教育学科では、2年次からコースを選択し、「基礎プログラム」とさらに幅広く学ぶ「発展プログラム」を設けている。自分の興味・関心に応じて段階的に学びの幅を広げ、自分だけの強みを身につけていく。教育学科「幼児教育・保育コース」で保育士資格と幼稚園教諭一種免許状の取得が可能。幼児教育・保育コースでは、子どもの発達過程や障がいなど、一人ひとりの特性を踏まえた援助や、小学校教育に円滑に接続するための指導法などを学ぶ。保育所や施設など実際の現場での実習のほか、アメリカでの海外研修も用意。同大のアメリカ分校キャンパスへ4カ月間留学する「アメリカ分校プログラム」では、語学研修やアメリカの教育や文化に関する授業のほか、現地の小学校や幼稚園での実習体験などを行う。
＜表の見方＞
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医科・歯科の単科大等を除く全国749大学に2023年春の就職状況を調査。564大学から得た回答を基にランキングを作成した（9月20日現在）。
設置の※印は国立、◎印は私立、無印は公立。大学名横の＊印は大学院修了者を含むことを表す。大学により、一部の学部・研究科を含まない場合がある。
