2023年消防官就職者数ランキング
写真=国士舘大学
今回は消防官の就職者が多い大学を紹介する。消防官を多く輩出している大学では、どのような取り組みを行っているのか。順に見ていこう。
1位は113人の国士舘大学。全学的に「防災教育」に力を入れる同大では、全学部の新入生が、災害に関わる基礎知識や心肺蘇生法、応急手当などを学ぶほか、単位を修得すると防災士の受験資格を得られる「防災リーダー養成論」を開講している。消防官と関りが深い「救急救命士」の国家試験受験資格を4年制大学として初めて取得できる体育学部スポーツ医科学科を2000年に設置。災害現場や教育現場、救急医療など、さまざまな場で活躍できるよう、最新機器を使った学内実習や、海や山での救助実習、医学部付属病院救命救急センターや東京消防庁と連携した病院実習、救急車同乗実習講義など、多様な実習を用意。医学知識、救急処置、救助など幅広い分野を基礎から実践まで学ぶことができる。
2位は65人の帝京大学。医療技術学部スポーツ医療学科に「救急救命士コース」を設置しており、救急救命士や消防官を志望する学生が学んでいる。「救急救命士国家試験」と「消防官採用試験」の対策を軸に、学内外での実習を豊富に用意。救急現場を想定したシナリオを学生自らが作成するシミュレーション実習のほか、救急車同乗実習、救命センター実習、精神科実習など数多くの実習を通して、実際の救急現場に近い環境で経験を積むことができる。また、体力錬成にも重点を置き、基礎医学や救急救護医学の基礎を段階的に学ぶ授業と合わせて、筋力・体力づくりを入学後から卒業まで行う。さらに、地域住民への救命講習や救命ボランティア活動などを通して、地域に尽力する公務員に求められる資質を磨く。
3位は61人の帝京平成大学。同大では、消防官や救命救急士を目指すための学びができる「救急救命士コース」を、池袋キャンパス(東京都豊島区)の健康メディカル学部医療科学科と、千葉キャンパス(千葉県市原市)の健康医療スポーツ学部医療スポーツ学科にそれぞれ設置している。いずれのコースも救急医療の高度化に対応した最新の設備での実習のほか、救命救急センターや消防機関などの協力のもとで行われるさまざまな現場実習を用意。プレホスピタルケアにおける実践的な医学知識や技術、対応力などを身につけ、救急医療や災害現場などで活躍できる人材を育成する。4年次には救急救命士国家試験合格に向けた学習に取り組み、いずれのコースも卒業生の半数以上が公務に就いている。
<表の見方>
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医科・歯科の単科大等を除く全国749大学に2023年春の就職状況を調査。564大学から得た回答を基にランキングを作成した(9月20日現在)。
設置の※印は国立、◎印は私立、無印は公立。大学名横の*印は大学院修了者を含むことを表す。大学により、一部の学部・研究科を含まない場合がある。