2023年警察官就職者数ランキング
写真=日本大学 法学部図書館
今回は警察官の就職者が多い大学を紹介する。警察官を多く輩出している大学では、どのような取り組みを行っているのか。順に見ていこう。
1位は127人の日本大学。1889(明治22)年に日本法律学校として創立した「司法の日大」の精神を受け継ぐ法学部公共政策学科に「公安・自治体コース」を設置。公共政策を客観的に評価・分析し、活用・応用できる能力を備えた、実務に強い人材を育成することを目指す。警察官志望者には、課外講座やガイダンスのほか、就職支援も充実している。約125万人を数える卒業生の強固なネットワークも心強い。また、2016年開設の危機管理学部は、「災害マネジメント」「パブリックセキュリティ」「グローバルセキュリティ」「情報セキュリティ」の4領域を幅広く学び、自然災害や事故、犯罪、情報流出、テロリズムなど、現代社会のさまざまな脅威に対応しうる危機管理学のスペシャリストを育てる。
2位は116人の国士舘大学。同大は、『日本の将来を担う、国家の柱石たるべき眞智識者「国士」を養成する』という建学の精神を具現化したものとして「防災教育」に力を入れており、毎年、全学部の新入生を対象に、災害に係る基礎知識の修得と心肺蘇生法、応急手当、搬送法、初期消火などの実習を行っている。また、防災に関する所定の授業単位を修得し、指定された防災士養成研修を受講することで「防災士」の受験資格を得ることができる。警察官養成としては、法学部に警察官をキャリア目標とした2コースが設置されている。法律学科の「刑事系コース」と、現代ビジネス法学科の「公共安全コース」だ。また、政経学部政治行政学科の「公務員養成コース」でも警察官を志望する多くの学生が学んでいる。
3位は80人の日本文化大学。法学部の単科大学として開学して以来、日本文化や伝統を理解することで深い教養を身につけ、人間としての品格を高める「人間教育」を実践してきた。同大では、将来の目標に向けた「履修モデル」を策定。それを参考に学習計画を自由に立てて学ぶことができる。警察官志望者には「警察官・消防官モデル」を用意。少人数による法学教育のほか、刑事政策や危機管理学などを学ぶとともに、採用試験で有利となるITパスポートの資格も取得することができる。また、警察官試験対策として、通常のカリキュラムに職業対応の科目や就職活動対策などを取り入れている。さらにスペシャリストセミナーや模擬試験といった就職プログラムなど、1年次から就職を視野に入れたサポートを行っている。
<表の見方>
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医科・歯科の単科大等を除く全国749大学に2023年春の就職状況を調査。564大学から得た回答を基にランキングを作成した(9月20日現在)。
設置の※印は国立、◎印は私立、無印は公立。大学名横の*印は大学院修了者を含むことを表す。大学により、一部の学部・研究科を含まない場合がある。