改革力が高い大学ランキング2022(東京編)
写真=早稲田大学
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「改革力が高い大学(東京編)」だ。
1位は早稲田大学で252ポイント。文理融合型教育やデータサイエンス教育の推進など、さまざまな教育改革を進める同大は、高校教育から大学教育にスムーズに移行するための入試改革にも力を入れている。政治経済学部では2021年から、大学入学共通テストの「数学I・A」を必須とし、独自の「総合問題」を課す入試を導入。現在は、理工系学部はもちろん、どの文系学部の入試でも数学を選択して受験することができる。また、教育学部では2023年度入試から大学入学共通テスト利用入試で5教科型を導入した。さらに、総合型選抜として「新思考入学試験(地域連携型)」(2024年度より「地域探究・貢献入試」に名称変更)を実施。地域振興への貢献を目指す受験生向けの入試方式で、最終選考では大学入学共通テストの成績で合否を判定する。
2位は東京大学で120ポイント。3位は東洋大学88ポイント。
東洋大学は、コロナ禍においても積極的な改革を推進し、2023年4月には赤羽台キャンパスに2学部を新設する。また、2024年には板倉、川越両キャンパスから学部学科を移転し、朝霞キャンパスをリニューアルする予定だ。同大の改革力は学生の意識にも大きく作用し、2021年には「学校法人東洋大学SDGs行動憲章」が制定され、日々の学びがどのようにSDGsに結びつくかを考える意識が向上したという。2022年度からは時間割や学生生活に役立つ情報を取得できる「東洋大学公式アプリ」の運用も開始。災害時の危機管理対策の一環としてアプリを介した緊急連絡や安否確認も実施され、その有効性が実証されている。
4位は立教大学で60ポイント。2024年の創立150周年に向け、国際化戦略「Rikkyo Global 24」を策定した。「1 海外への学生派遣の拡大」「2 外国人留学生受け入れの拡大」「3 教育・研究環境の整備」「4 国際化推進ガバナンスの強化」の4つの目標を掲げ、これらを実現するために合計24項目の施策をスタート。この国際化戦略を基盤とした構想は「専門性に立つグローバル教養人」の育成を目指している。また、2023年4月には「スポーツウエルネス学部」を新設。「すべての人の生きる歓びのために」を理念に、スポーツ・健康科学の研究領域に「ウエルネス」という心身の健康だけでなく、価値観や生きがいなども含めた多元的かつ総合的な健康観の発想を融合させ、新たな学問領域を創出する。
<表の見方>
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全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、624校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
設置の※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。