私立大の共通テスト利用選抜は昨年並みの志願者数
青山学院大、法政大で増加、その他難関大は志願者減も
大学入試センターは21日、15日・16日に行われた大学入学共通テストの平均点(中間集計その2)を公表した。主要科目のほとんどが19日公表の「中間集計」より低く、「数学Ⅰ・数学A」も37.96点とさらに下がった。併せて科目別得点を9段階に換算した「段階表示換算表」も公表され、この表に照らせば受験者全体の中での位置づけを大まかにとらえることができるだろう。
また、共通テストについて、得点調整は行わないことが発表された。得点調整は地理歴史、公民、理科②の一部の科目で、20点以上の平均点差が生じ、それが試験問題の難易差に基づくものと認められる場合に実施される。22年度は、地理歴史の平均点差が13.02点、公民は6.50点、理科②は13.09点といずれも該当しなかった。
今週末の29日・30日には共通テストの追試験が実施され、平均点等の最終発表は2月7日に行われる予定だ。
さて、私立大の大学入学共通テスト利用選抜は、共通テスト実施前に締め切る大学が多い。22年度は、全体でほぼ昨年並みの志願者数となっている。現時点では集計中のところがほとんどだが、14日までに出願を締め切った主な大学の出願状況を見てみよう(一部*を付した大学は14日以降の締切)。
首都圏難関大では、青山学院大*(確定)が20%増加で、学部別では文が78%増、社会情報が35%増と人気が高い。法政大(集計中・26日現在)は13%増で、増加が目立つのは経営(81%増)、法(73%増)、グローバル教養(74%増)など。立教大(確定)は5%増、中でも法が61%と大きく増えた。東京理科大(集計中・24日現在)は10%の増加だ。このほかに共通テスト利用選抜で志願者の増加が目立つのは、東洋大(集計中・25日現在)37%増、工学院大(確定)36%増、千葉工業大(集計中・20日現在)25%増など。千葉工業大は、昨年から特別措置として共通テスト利用入試の受験料を免除しており、22年度もその効果が続いた。
一方、早稲田大*、上智大、明治大、中央大など(いずれも集計中)は、現時点で昨年の志願者数を下回る。中央大(集計中・25日現在)は44%減だ。まだ確定値ではないため今後増加する可能性があるが、多科目型で実施する難関大では、志願者数が伸び悩む傾向にあるようだ。
近畿圏では、関西学院大(確定)が11%増加した。昨年は理系学部改組で注目を集め、22年度は法、経済、商がそれぞれ49%、37%、27%増え、社会科学系が人気となった。立命館大(集計中・26日現在)は4%増加、関西大(確定)は法を除く全学部が減少、全体で13%の減少となった。同志社大(確定)は2%の増加で昨年並みだった。