大学入学共通テストの志願者数が確定
現役志願率が過去最高となる一方、浪人生は減少

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大学入学共通テストの志願者数が確定 現役志願率が過去最高となる一方、浪人生は減少

22年1月15日・16日に行われる「大学入学共通テスト」の志願者数が、独立行政法人大学入試センターから発表された。

共通テストとして2回目の実施となる22年度の志願者数は、53万367人。前年と比べ4878人減り、減少率は0.9%、4年連続の減少だ。

22年3月の高等学校卒業見込み者は、前年より約2万人(2.0%)少なくなるが、現役生の志願者は44万9369人で、426人(0.1%)減とほぼ昨年並みにとどまった。一方で、浪人生の減少が目立つ。共通テスト初年度の21年度は前年比で2割近い大幅減となったが、22年度も5.2%の減少だ。また、志願者のうち浪人生が占める比率も3年連続で下がり、14.5%と過去最低になった。今後も浪人生は減り、強い現役志向が続くとみられる。

現役志願率(高等学校卒業見込み者のうち、共通テストに出願した者の割合)は45.1%。前年より0.8ポイント上昇し、過去最高となった。地域別では東京が58.2%と最も高く、広島、愛知、富山、石川の4県も50%を越えた。

現役志願率が上昇したのは、共通テストが2年目を迎え、過去問もできて対策を立てやすくなったことによる。さらに、コロナ禍による不況で私立大よりも学費の安い国公立大を志望する生徒が多いことや、私立大を志望する生徒も共通テスト利用入試を視野に入れているためだ。安全志向から、学校推薦型選抜や総合型選抜の人気が高いが、共通テストに出願する9月末の時点では、一般入試までを見据えた長期的な受験計画を立てる生徒が多い。私立大の共通テスト利用入試は一般入試よりも受験料が安く、共通テストの成績だけで合否が判定される方式を利用すれば、受験機会が大きく広がる。早稲田大や上智大、青山学院大などでは、共通テストを必須とする一般入試を実施しており、学部や方式によっては共通テストを受験しなければ出願ができない。

なお、過去の共通一次試験や大学入試センターの例では、2年目はいずれも難化しており、22年度の共通テストも難化する可能性が高い。また、共通テスト利用入試は出願しやすさから高倍率になる傾向がある。

22年度入試で共通テストを利用する大学は708校(国立82、公立93、私立533)、専門職大7校(公立2、私立5)。公立大では川崎市立看護大、三条市立大、叡啓大、芸術文化観光専門職大が新たに利用する。