教育力が高い大学ランキング2021(私立大学編)

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教育力が高い大学ランキング2021(私立大学編)

写真=東京理科大学

多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「教育力が高い大学ランキング(私立大学編)」だ。



1位は東京理科大学で85ポイント。同大には、「実力主義」という大学を象徴する言葉がある。これまでは「真に実力を身に付けた学生だけが卒業できる」と解釈されてきたが、2021 年に「未来を拓く実力」として再定義された。この新実力主義に加え、同大には建学以来の伝統として「関門制度」がある。これは指定科目の単位取得が進級条件となるもので、徹底した基礎教育を行い、それぞれの専門教育だけでなく、理工系総合大学として競争力を養う教養教育にも力を入れている。また、デジタル化時代に求められる21世紀型スキルを活用できる人材を育成するため、教育のDX化を推進。個別最適化した教育を実現するための新たな教育手法の開発や、デジタル学習環境の整備・増強、Society 5.0に対応する人材育成な ど、時代の変化に合わせたさまざまな教育改革を実施している。



2位は早稲田大学で77ポイント。2022年に創立140年を迎える同大は「世界で輝くWASESA」の実現に向け、「たくましい知性」と「しなやかな感性」を身につけるための教育を展開。その原動力の一つに「グローバルエデュケーションセンター(GEC)」を中心とする全学部共通の教育プログラムがある。このうち「基盤教育」は、大学での学びに必要なアカデミックツールの修得をめざすもの。「アカデミック・ライティング」「英語」「数学」「データ科学」「情報」の5つのツールは社会に出てからも必要な素養であり、複数の科目で構成されている。特に、ビッグデータの解析や統計学などを扱うデータ関連科目では、文理を問わず多くの学生が意欲的に学んでおり、2017年に開設された「データ科学センター」とGECとの連携によって独自の「データ科学認定制度」も整備されている。

3位は慶應義塾大学と国際基督教大学(ICU)が70ポイントで並んだ。国際基督教大学は少人数制による「リベラルアーツ教育」と、日英バイリンガリズムを基本としたグローバルな視野に基づく対話を重視した教育が特徴だ。日本語を母語とする学生には、1・2年次に全学生が「リベラルアーツ英語プログラム(ELA)」を履修する。「読解と論文作法」「精読と英文構成法」「アカデミック・スキルズ」などの科目で構成されるこのプログラムでは、英語力の向上とともに、大学で実践的に学ぶための思考力やスキルを身につける。個々の学力に合わせてそれぞれの科目で学び、プログラムの締めくくりには英語での論文作成を行う。それぞれの学生が関心のあるテーマについて資料を集め、個人指導も交えながら論文を書き上げ、その後の学習につなげていく。

<表の見方>

全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、739校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。


教育力が高い大学ランキング2021(私立大学編)