面倒見が良い大学ランキング2021(全国編)

教育
面倒見が良い大学ランキング2021(全国編)

写真=金沢工業大学の夢考房

多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「面倒見が良い大学ランキング(全国編)」だ。

1位は金沢工業大学で205ポイント。調査以来17年連続のトップとなった。こうした高い評価の背景には、学生の意欲を応援するさまざまな学びのシステムがある。「数理工教育研究センター」では、専門的な学びの基礎となる数学・理科の個別指導を実施。図書館にある「Knowledge Square」では、学部4年生や大学院生がシニアSA・TAとなって専門科目について下級生に解説する学び合いの場を提供している。また、ものづくりの拠点である「夢考房」には、金属3Dプリンタや樹脂3Dプリンタ、電子基板の製作や金属加工、樹脂加工などのブースのほか2つの巨大な屋内試走スペースを備えており、学んだ知識を生かしてアイデアを実現できる環境が整っている。ソーラーカーやロボット、飛行機などをテーマにした「夢考房プロジェクト」の活動も盛んだ。

2位は武蔵大学で133ポイント。ゼミを主とした少人数教育の伝統は、キャリア支援にも生かされている。キャリア支援センターには常時10人以上のキャリアカウンセラー資格を持つ職員が在籍し、就職活動前に3年生全員に個別面談を実施している。卒業生による支援プログラム「武蔵しごと塾」では、グループワークや模擬面接などを通して職業観や自己表現力を高める。また、2021年からは「オリジナル企業リスト配付説明会」をオンラインで実施。キャリア支援センターが過去に開催した説明会の参加企業など約180社のリストをもとに、就活での企業選びやインターンシップ先の選び方のポイントを伝授する。なお、2021年度の個別面談はWebか対面の選択制とし、応募書類のメールでの個別添削指導や電話相談など、各学生に合わせた支援を行った。

3位は東北大学で92ポイント。同大は、タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)が発表した「世界大学ランキング日本版2021」においても、主に教育に焦点を当てた評価で2年連続トップになっている。昨年7月には「東北大学ビジョン2030」のアップデート版「コネクテッドユニバーシティ戦略」を公表し、デジタルトランスフォーメーションによる社会の展開期に対応すべく、全学部生を対象とした「AIMD教育※」など、AI・数理・データサイエンスを軸とした基礎教育から高度プロフェッショナル養成まで一貫した教育を行っている。コロナ禍においてはいち早くオンラインと対面のハイブリッドによる授業を進め、学生支援においても学生一人ひとりにアドバイザー教員を配置し、独自の緊急給付型支援を行うなど、さまざまな施策を行った。
※AIMD教育:AIMDはAI、Math、Data Scienceの頭文字をとったもの。文理を問わずデータ・AIリテラシーを学ぶ基礎的な内容から、世界トップレベルのデータ・AI研究者となるための高度プロフェッショナル養成まで、一貫したカリキュラムを提供している。

<表の見方>

全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、739校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。


面倒見が良い大学ランキング2021(全国編)