小規模だが評価できる大学ランキング2020(東京編)

教育
小規模だが評価できる大学ランキング2020(東京編)

写真=産業能率大学

多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「小規模だが評価できる大学ランキング(東京編)」だ。留学についての記述は、普段の取り組みを取り上げた。コロナ禍で海外への出入国が制限されている。各校の措置については別途ホームページなどを確認して欲しい。

1位は武蔵大学(212ポイント)、2位は国際基督教大学(168ポイント)、3位には産業能率大学が98ポイントで続く。産業能率大学は、実社会で必要な能力を育てる「ジェネリックスキル開発プログラム」をはじめ、学生が主体的に学ぶアクティブラーニング型の授業が特徴だ。1年次の「初年次ゼミ」の段階から、学生は地域や企業の課題解決にチームで取り組むPBL(Project Based Learning、課題解決型学習)を経験する。ここで、主体的な学びや社会人基礎力を身につけるだけではなく、自分の強みや弱みを把握することで、その先の大学生活をどう過ごしていくかを考える。3・4年次の「専門ゼミ」では、学部科目で得た専門知識や実践力を融合させてハイレベルな課題に挑むことで、課題発見とその解決のためのより高度な理論やスキルを修得する。

4位には成蹊大学、成城大学、津田塾大学(各45ポイント)がランクイン。1912年の創立以来「少人数による個性尊重の人格教育」が受け継がれる成蹊大学は、教職員と学生の距離の近さによって、質の高い教育を可能にしてきた。文系・理系すべての学生が「ワンキャンパス」で4年間を過ごすのも特色の一つであり、さまざまな学問や仲間との出会いが、学生の成長を支えている。2020年には、グローバル教育プログラム「EAGLE(Education for Academic and Global Learners in English)」をスタートさせた。選抜制の少人数クラスで、1年次の夏に3週間、全員が英国ケンブリッジ大学へ留学し、2・3年次には長期留学を組み入れ、英語力と国際感覚を徹底的に磨く。帰国後のキャリアデザインまで一貫してサポートし、グローバルな舞台で活躍できる人材を育成する。

2017年の創立100周年を機に「第2世紀の成城教育」を掲げた成城大学は、国際教育、理数系教育、情操・教育を改革の柱としている。国際教育の中核をなすのは、「成城国際教育プログラム(SIEP*)」だ。学生の英語レベルと、留学時期に合わせた履修モデルをベースに、専属教員による予約制の個別指導や、留学生と学ぶ英語開講科目などを受講。「海外短期語学研修」などを活用して実践的な英語力と幅広い国際教養、コミュニケーション力を身につけ、長期留学や海外インターンシップに臨む。 理数系教育では、2015年度にデータサイエンス科目を開講するなど、人文・社会科学系大学としてはいち早くデータサイエンスに特化する取り組みを始めた。グループワークができる「Lounge#08」など教育・研究環境も充実させ、学生の「育ちたい」気持ちを伸ばしている。
*Seijo International Education Programの略

<表の見方>

全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、910校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
大学名の◎は私立、※は国立、無印は公立を表す。


小規模だが評価できる大学ランキング2020(東京編)