授業では教えてくれない“共通テスト リスニング力”アップ術

教育 名門会 樋口 慎治
授業では教えてくれない“共通テスト リスニング力”アップ術

2021年度入試から始まる大学入学共通テスト(以下、共通テスト)。特に英語は、センター試験から一番大きな変更が予定されています。
今回は、その中でも一人での対策が難しい「リスニング」について取り上げたいと思います。

共通テストの英語リスニングは何が変わる?

共通テストの英語は「リスニング」と「リーディング」の配点が変わり
リスニング100点、リーディング100点になります。
実際の入試での配点比率は各大学が決めますが、これまでのセンター試験では「リーディング:リスニング=4:1」だった配点比率を、共通テストからは「3:1」「1:1」などというように、リスニングの配点比率を高めている大学が増えています。(2020年7月時点。大学発表の予告より)
授業では教えてくれない“共通テスト リスニング力”アップ術
つまり、英語で高得点を取るためには、ウエイトが上がったリスニングの攻略が必須。
“成果が出せる勉強方法”で対策していく必要があります。

得点につながる「リスニング力」をつけるには?

共通テストに向けたリスニング対策の重要性は一目瞭然ですが、「リスニングは苦手」という受験生がほとんどだと思います。
やみくもにリスニングの練習問題にあたっていたのでは、なかなか効果は出ません。
リスニングは「基本のリスニング力」を、時間をかけてしっかりと身につけることが重要です。


授業では教えてくれない“共通テスト リスニング力”アップ術

中学・高校の授業では教えてもらえませんが、忘れてはいけない一番のポイントは
リスニングの問題は
「リンキング※やリダクション※をマスターせず、カタカナ英語の発音で英語学習していると太刀打ちできない!」
※リンキング・リダクションは後述
ということ。

そして、入試で成果が出るリスニング力をつけるには、
【1】「リスニングの基礎知識」を知る。
【2】基本のリスニング力を、正しい学習法(実践練習)で身につける。
[基礎知識(予備知識)がないと、練習しても効果が出にくい!]
【3】受験する試験の出題パターンに合わせた、本番に近い実践練習をする。
という正しいステップを踏むことが大切です。

「リスニングの基礎知識」を確認しよう

リスニングのルールを知れば、聞こえ方にも変化が出ます。
「日本語」と「英語」の大きな違いを、きちんと認識しましょう。
次の3つに留意するだけでもリスニングが格段に変わります。意識して聞き分けをしてください。授業では教えてくれない“共通テスト リスニング力”アップ術

[例.1]日本語と英語の発音ルール

日本語は、音の高低(イントネーション)で単語を区別する
英語は、音の強弱(ストレス)で単語を区別する
※日本語はすべてを「強い音」ばかりで発音するため、英語の強弱が聞き取りにくいと言われます。

[例.2]リンキング[音が消失する]例

単語と単語の発音がつながって、あたかも一つの単語のように聞こえます。

☑ Can I take it out
カタカナ英語で発音してしまうと「キャン アイ テイク イット アウト」
→実際はリンキングして「キャナイティキタウㇳ」のような発音になります

☑ Check it out
カタカナ英語の発音 「チェック イット アウト」
→ リンキングすると… 「チェッキッタウトゥ」


☑ He’s smarter than anyone I know
カタカナ英語の発音 「ヒズ スマーター ザン エニワン アイ ノウ」
→ リンキングすると…「ヒッスマーターザネニワナイノウ」

[例.2]リダクション[強調しない箇所は、弱く発音する or 発音しない]例

語尾の破裂音や、機能語に、発音が弱くなったり、ほぼ聞こえなくなったりする
リダクションが起こります

☑ take care ~の場合
カタカナ英語の発音「テイク ケア」
→ リダクションすると…「ティッケア」 *「K」が抜ける。


☑ We have to go~の場合
カタカナ英語の発音「ウィ ハフター ゴー」
→ リダクションすると…「ウィハフタゴー」 *「to」が抜ける。


☑ There are twenty ~の場合
カタカナ英語の発音「ゼア ア- トゥエンティ」
→ リダクションすると…「ゼアラトゥエニー」 *「t」が抜ける。

リスニング基礎のポイント!
テキストを見ながら音源を聞き、「どこが自分にとって違う言葉に聞こえるか?」・「どこがつながって、どこで切れているか?」をしっかり確認することが重要です。このレベルでの演習ができるなら、“メモを取らず体で覚える”学習法で大丈夫です。

自己流のリスニング対策は危険。指導者について学習を!

授業では教えてくれない“共通テスト リスニング力”アップ術リスニングで結果を出す効果的な対策は、やはりプロの指導を受けることです。
週1回・1時間程度でもよいので、自分の発音・リスニング学習法をチェックしてもらうことが必要です。併せて、毎日必ず20分程度リスニングの練習(課題演習)をすること、週に1回は復習テストを受けましょう。

楽器の練習と同じように、毎日少しずつの練習を継続することが重要だと覚えておきましょう。

授業では教えてくれない“共通テスト リスニング力”アップ術

執筆者紹介
授業では教えてくれない“共通テスト リスニング力”アップ術

樋口 慎治(名門会家庭教師センター 教務担当)

ひぐち・しんじ/2019年度医学部入試235人の合格実績をもつ社会人プロ家庭教師「名門会」の教務担当。大手進学塾での講師・教室長経験を経て、2007年に入社。生徒一人ひとりの志望校合格カリキュラム作成のノウハウをもとに、中学受験~医学部受験まで学年を問わず、数多くの受験生をサポートし合格へと導いている。


名門会家庭教師センター
URL:https://www.meimonkai.co.jp/