頚椎損傷から復活を目指す京都産業大学ラグビー部の中川将弥さんが「共生社会の実現」をテーマに講演

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頚椎損傷から復活を目指す京都産業大学ラグビー部の中川将弥さんが「共生社会の実現」をテーマに講演

学生に思いを語る中川さん=写真

京都産業大学ラグビー部の中川将弥さん(経済学部4年次)は、2017年の関西大学ラグビーAリーグ最終戦で頚椎を損傷し一時は全身不随となったが、懸命なリハビリにより今春から復学を果たし、現在は寮で後輩部員と共同生活をしながら、リハビリと後輩の指導にあたっている。

その中川さんが、ラグビー部監督の大西健教授が担当する授業『スポーツと人間形成』の講義にゲストスピーカーとして登壇し、共生社会の実現をテーマに講演した。中川さんは、「今を大切に生きてほしい。チャンスがあるなら勇気を持ってチャレンジを!」と同世代の学生たちに語った。


中川さんは、小学1年生の時にラグビーと出会い、中学・高校では主将として全国大会優勝など活躍し、京都産業大学に入学した。厳しい練習を乗り越え2年次生でレギュラーの座をつかみとり、3年次生の時の全国大会では明治大学からの初勝利に貢献した。その後、新チームの主将となり迎えたリーグ戦でも活躍し、全国大会出場を決めて迎えた最終戦で大怪我をした。


運び込まれた病院で、医者が「首から下が動かなくなる」と家族と監督に話をしているのが聞こえた。手術後40日間は動くことができず、つらい日々を送った。それでも、くじけることなく懸命にリハビリを続けるうちに、少しだけ左半身が動くようになり、そこから何でも左手でできることに挑戦し始めた。


どん底から這い上がり、厳しいリハビリを乗り越え、誰にでも明るく前向きに接する中川さんは「怪我をしたおかげで仲間の大切さや人の温かさ、今まで気づけなかったことにも気づけるようになり、些細な事にも感謝できるようになりました」と笑顔で話す。


同世代の学生たちに向けて「人生は何が起こるかわからない。皆さんには、今を大切に生き、何事にも勇気を持ってチャレンジしてもらいたい」と語った。受講した学生からは「自分から積極的に声をかけてサポートしたい」「共生社会を意識できるようになりたい」との感想が聞かれた。


最後に、大西教授から「みんなで共生社会を作り上げていくのは社会問題である。皆さんが意識することによって将来の日本社会は変わる。また、彼はいつも明るく前向きに行動しているが、人知れず悩み、泣き、苦しみもがいている。それでもそのような姿を人に見せることはできない。彼を強くし成長させているのも、スポーツの力だ」と授業を締めくくった。


むすんで、うみだす。  上賀茂・神山 京都産業大学

関連リンク
・詳細記事(本学Webサイト)
https://www.kyoto-su.ac.jp/news/20190719_345_nakagawa.html
・共通教育科目『スポーツと人間形成』
https://www.kyoto-su.ac.jp/news/20180412_345_release_it01.html
・プレスリリース
https://www.kyoto-su.ac.jp/news/20190711_345_release_ir01.html
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