2023年学部系統別実就職率ランキング(看護・保健・医療系)
看護・保健・医療系1位は、実就職率100%の聖徳大・看護学部、順天堂大・保健看護学部、新潟医療福祉大・看護学部、新潟青陵大・看護学部、鈴鹿医療科学大・看護学部、京都医療科学大・医療科学部の6大学・6学部が並んだ。このうち2大学を取り上げる。
気品と実践力を備えた、自立・自律する「凛とした看護師」を目指す
聖徳大・看護学部は、大学の理念である「和」の精神をベースに、専門的な知識・技能に加え、深い教養や、感受性を養う。人間教育に力を入れている。「小笠原流礼法基礎講座」では、周りへの心遣いや感謝、相手を大切にする気持ちを形で表現することを学ぶ。高機能シミュレータ(患者ロボット)を使用した「シミュレーショントレーニング」では、実際の看護現場に近い状況で看護実践を経験することで、知識と技能、態度を併せて養っていく。さらに、1年次から4年次まで、少人数のゼミ形式の授業「課題探究学習セミナー」を実施。ディスカッションなどを通して主体性などを身につけ、専門的なチームで協働する一員として活躍するための素養を磨く。
地域の保健衛生・健康保全に貢献する看護師・保健師を育てる
順天堂大・保健看護学部は、保健医療福祉の分野を総合的に学び、看護師と保健師の2つの国家資格を目指すことができる。経験豊富な教育スタッフを配置し、附属病院をはじめ地域の中核病院での臨地実習や、幅広い看護技術を習得できる最新設備を活用した実習など、多様化する医療・福祉の課題に対応できる応用力を身につける。また、専門的な技能だけでなく、幅広い教養や語学教育、スポーツ教育にも力を入れている。「人間と教養」科目群をはじめとした独自のカリキュラムを通して、国際性と多様性、豊かな人間性を併せ持つ看護師を目指す。また、進路については経験豊富な教員が丁寧に指導。就職先には、付属病院や連携医療機関、県や市町村の健康部門、一般企業など多岐に渡っている。
<表の見方>
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医科・歯科の単科大などを除く全国749大学に今春の就職状況を調査。565大学から得た回答(10月10日現在)を基に、系統別に学部実就職率上位校を掲載した。卒業生数が80人未満の小規模な学部、通信教育学部、2部・夜間主コースのみのデータは掲載していない。東京大などデータを未公表、または未集計の大学・学部は掲載していない。大阪公立大は統合前の大阪市立大と大阪府立大の実績を掲載した。
各系統は、主に学部名称により分類したため、学科構成や教育の内容が似ていても掲載していないものがある。例えば、法学科をもつ大学・学部でも学部名に「法」が付かない場合、法学系に掲載していないことがある。
実就職率(%)は、就職者数÷(卒業生数-大学院進学者数)×100で算出。大学院への進学者数が未集計の場合、実際の数値が掲載している値より高い場合がある。
文部科学省では、就職率を「就職希望者数に占める就職者の割合」で算出することを推奨しているため、各大学が公表している就職率と異なる場合がある。ここでは文部科学省が用いる「就職率」と区別するため、「実就職率」という表記を用いた。同率で順位が異なるのは、小数点2桁以下の差による。
設置の※印は国立、◎印は私立、無印は公立を示す。大学・学部名は現在の名称で掲載している場合がある。所在地は大学本部の所在地で学部の所在地と異なることがある。