就職に力を入れている大学ランキング2020(近畿編)
写真=立命館大学
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「就職に力を入れている大学ランキング(近畿編)」だ。
1位は立命館大学で98ポイント。まず注目すべきは1学年の在学生数が7500人を超える総合大学でありながら、例年98%前後の学生の進路を把握していること。その上で、単なる「就職支援」だけでなく、社会観・就業観の確立や、社会で活躍するための実力の養成などを目的としたサポートに注力している。2020年度はコロナ禍で採用活動のオンライン化が進み、多くの学生が不安を抱えるなか、オンライン模擬面接や電話相談、WEB企業説明会など、柔軟に形式を変更して学生の就職活動を支援した。また、難関資格試験へのサポートとしては、公認会計士や国家公務員総合職などを目指す学生・大学院生に対し、選考結果によりエクステンションセンターの授業料相当額を減免・給付する制度を用意。公認会計士や国家公務員総合職などに在籍中に合格した学生・大学院生向けの奨学金給付もある(奨学金制度は2019年度時点)。
2位は近畿大学で60ポイント。卒業生数約54万人は西日本一を誇り、国内外のさまざまな分野で活躍する卒業生から寄せられる生の声が、学生の就職活動の参考となり、励みになっている点は、総合大学ならではの強みだ。あらゆる業界に人材を輩出してきた豊富な実績を生かしたきめ細かな就職支援プログラムも開発されており、1年次から充実したサポートが進められている点も特徴。就職活動に臨む3年生の士気を高める「就職活動決起大会」は、近畿大学の名物行事となっている。また、図書スペースなどが併設された「アカデミックシアター」が2017年に誕生。24時間対応の自習室や、就職支援などに特化した「オープン・キャリアフィールド」が利用でき、環境面も含めた全方位型の就職活動が行われている。
3位は京都産業大学で36ポイント。特筆すべきは、就職支援スタッフが年間500社にのぼる企業を訪問して情報収集をしていること。一拠点で学ぶ総合大学のため、その情報はあらゆる学生が閲覧でき、学生一人ひとりと密接にコミュニケーションをとりながら、学生と企業のベストマッチングが実現している。また、90年代初めから他大学に先駆けてキャリア教育をスタートさせ、社会を生き抜く「根幹的な実力」の育成に取り組んできたことも大きな強み。就職活動での疑問や不安を解消し、学生一人ひとりの進路選択と就職支援を丁寧にサポートする進路・就職支援センターの取り組みと、企業などの外部機関と連携しながら展開される4年間のキャリア教育との2本柱により、一貫して高い就職率を誇っている。
<表の見方>
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全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、910校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
大学名の◎は私立、※は国立、無印は公立を表す。