低学年次からのキャリア形成支援が
学生の学習意欲と自信を高め
納得できる進路選択へ導く

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低学年次からのキャリア形成支援が 学生の学習意欲と自信を高め 納得できる進路選択へ導く

「社会を変革し、未来を切り開いていくグローバル人材の育成」を学長方針に掲げ、さまざまな教育改革を推進する実践女子大学。2019年度からスタートした個別支援システム「J-TAS」をはじめ、社会と連携して実践力を磨く独自のキャリア形成プログラムを展開し、その結果として毎年堅持されている実就職率は、全国の女子大学でも高水準を誇る。多くの大学で低学年次からのキャリア形成支援が活発になりつつある中、J-TASを軸に先進的な取り組みを進める実践女子大学のキャリア形成支援とその効果について、教員、職員、学生、それぞれの声を交えてリポートする。

低学年次からのキャリア形成支援が 学生の学習意欲と自信を高め 納得できる進路選択へ導く

1・2年次における小さな差は、将来の大きな差になりかねない

「大学1・2年次からキャリア形成活動を開始し、インターンシップなどの就業体験を経て就職先を決定する。私の研究では、このプロセスを踏む学生の方が、企業とのミスマッチが少なくなる傾向が見られます」

こう話すのは、人間社会学部ビジネス社会学科の初見康行准教授だ。インターンシップの経験が学生にもたらす効果をはじめ、キャリア形成支援プログラムの内容や効果を数値化して分析する実証研究を進めている。近年、企業においては社員の“エンゲージメント”など、仕事に対する意欲の向上を目的とする取り組みが活発化する中、大学における低学年次からのキャリア形成支援は、ミスマッチにともなう早期離職の回避にも一定程度の効果を生む可能性が高いという。また、初見准教授は次のように指摘する。

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人間社会学部ビジネス社会学科
初見 康行准教授

「インターンシップを経験すると、その後の学習意欲が向上するという結果も出ています。さらに、3・4年次よりも1・2年次で経験する方が、学習意欲の向上により効果的であることが統計的な分析からわかってきました。何事も遅すぎるということはありませんが、3年次以降に学習意欲が高まっても、卒業までに残された時間も履修できる科目も限られてしまうことは確かです。それに、3・4年次になると就職活動の“引力”には逆らえません。1・2年次のうちに学習意欲を高めることができれば、授業やゼミ、課外プログラムなど選択肢は豊富にあり、意欲や興味に合致する活動に注力できるのです」(初見准教授)

ただし、「学習意欲を大学での学習活動のみに限定するのは“もったいない”」とも話す初見准教授。1・2年次に芽生えた純粋な向学心によって得られた気づきが、キャリア形成の指針や時には方針転換にもつながり、結果的にミスマッチが起こらない業界・業種への就職に近づくというのだ。そして、この初見准教授の言葉に大きく頷いたのが、キャリアサポート部の林鶴代部長だ。

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学習総合支援センター
キャリアサポート部 林 鶴代部長

「私は、キャリアサポート部に着任する以前は、教育総合サポート部に在籍し、学生総合支援センターで約5年間、履修登録や成績の管理を通して学生と向き合ってきました。同センターは、ワンストップで学生をサポートすることをコンセプトに、カリキュラムアドバイザーやキャリアアドバイザーといった職員を配置しています。加えて本学では、2019年度に『J-TAS』という学生の個別支援体制がスタートし、キャリア形成支援のほか、手厚い修学支援も重視してきました。低学年次から段階的に自分の目標をクリアにしていくことで、目標に向けた数々のアクションと振り返りの中で成長し、自信を深めていく多くの学生を見てきました。キャリア形成に向けて積極的に行動する学生は、普段の勉強にも意欲的に取り組んでいることが多く、初見先生の研究結果は、本学の取り組みをさらに推し進めていくものと感じています」(林部長)

こうした背景もあって、キャリアサポート部では低学年次からのキャリア形成支援の拡充を推進。2024年度からは、生活科学部で2年生を対象とする「就活基礎ゼミ」が導入された。これは、以前から文学部で運用されてきたプログラム。かつてこの就活基礎ゼミに参加し、晴れて志望する企業からの内定を獲得したのが、文学部英文学科4年の新田亜里沙さんだ。「私は、他大学が第一志望だったことやコロナ禍の影響もあり、入学当初は卒業後の具体的な目標まで前向きに考えられず、不安でいっぱいでした」と話す新田さん。だからこそ「不安を払拭したい」「就職活動で挽回したい」という思いから、精力的にキャリア形成プログラムに参加してきたという。

「文学部の就活基礎ゼミは希望制ですが、過半数の学生が参加していました。エントリーシートの指導や面接練習をするわけではなく、まずは2年次の段階で、その後の活動に向けた基礎的な資質を養うことが目的でした。例えば、夏休み前にそれぞれの学生が休み中の行動計画を発表し、休み明けに結果を報告するといった内容です。それだけでも周囲の学生の計画や結果から刺激を受け、他のキャリア形成プログラムへの参加意欲が高まり、例えば深澤晶久教授(https://univ-online.com/prflag/18221/)の担当する『女性とキャリア形成』や『グローバルキャリアデザイン』を履修しました。どちらの授業もゲストスピーカーによる企業活動の話を聞くことで、“会社で働くとはどういうことか”を自分なりにイメージできました。また、どんなフィールドでも必要となる教養や語学力を磨くため、学科の授業を大切にしようとする思いも強まりました」(新田さん)

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就活基礎ゼミの様子


新田さんが所属する英文学科の必修科目は1クラスの学生数が最大20名ほど。徹底した少人数教育のもと、積極的に授業に参加しようとする姿勢が自然と身につき、就職活動でのグループワークなどでその力が発揮されたという。こうして決まった新田さんの内定先は、海外に母体を持つITコンサル企業。社員の4割が外国人の外資系企業に、システムエンジニアとして入社する予定だ。社内では英語が“公用語”だというが、ネイティブの教員が担当するオールイングリッシュの授業で磨いた英語力が生かされるだろうと自信を覗かせる。とはいえ、「特に情報系に強かったわけではない」と話す新田さん。内定までの経緯を聞いてみた。

大学に強みがあればこそ、学生の強みも磨かれる

新田さんが就職活動で重視したのは、「好きなこと」を生かす仕事ではなく、「強みや適性」に合った仕事を見極めること。自己分析では、「感情よりも理屈を優先する」「現実的」「どちらかというと心配性」といった点を挙げたうえで、3年次の4月に、キャリアサポート部の職員との面談に臨んだという。

「面談では、職員の方からIT業界を勧められました。自分では予想外でしたが、キャリアサポート部にはIT業界や金融業界など、さまざまな企業での実務経験を経て職員になられた方もいらっしゃるので、実体験に基づいたアドバイスをいただくことで、具体的に考えられるようになりました」(新田さん)

その後、新田さんはインターンシップ先の候補企業約100社をリストアップ。職員からのアドバイスを受けて、実際にエントリーする約30社に絞り込み、IT業界を中心に複数のインターンシップに参加した。

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文学部英文学科4年
新田 亜里沙さん

「インターンシップ先では、新規事業の企画など、企業から提示された課題にグループワークで取り組み、最終日にプレゼンテーションを行う流れがほとんどでした。私は、『発言しなければ参加した意味がない』と考え、授業で培った積極性やコミュニケーション能力を発揮できるよう意識しました。また、インターンシップ先では人事の方と話す機会も多く、その際に私の強みとして評価していただいたのが『課題の全体像を俯瞰して、議論が脱線しそうになったときに軌道修正する力がある』という点でした。IT業界でも全体像を俯瞰しながらプロジェクトを進めていく力が求められますし、大学での面談でIT業界を勧められた理由も腑に落ちたため、それからIT業界に絞って就職活動を本格化させました」(新田さん)

一方で新田さんは、同じく3年次に、複数の大学から400名の学生が集結する「女子大学合同就活ゼミ」に幹部学生として参加している。この合同ゼミは、面接やグループディスカッションの練習など、実践的な就職活動対策を行うプログラム。大学という枠を飛び越え、幹部学生としてプログラムを進めていく中で、自分にはない他大学の学生の魅力に刺激を受けつつ、自らの強みに対する自信をさらに高めることができたという。この「自信を持つこと」の大切さについて、初見准教授は次のように指摘する。

「最近は自己肯定感が低く、自ら自分のレベルを決めつけて過小評価するような大学生も散見されます。これを打破するためにも、学生が外の世界に触れる機会を大学が提供することが重要です。学生は大学の外に出ることで、それまで自覚できなかった自分の強みに気づくことができるのです。たとえ学外で実力不足を痛感したとしても、自分に足りない部分を認識して、日々の授業で身につけていけばいいのです。そのスタート地点として望ましいのがまさに低学年次であり、新田さんのように学科の勉強を頑張りながら、学外へと自分の世界を広げる活動に力を注ぐことで、大学内外での学びの相乗効果を生み出そうとする意識が肝心なのです。そして、社会連携推進室が主導する産学連携プログラムや、キャリアサポート部が企画するインターンシップなど、学外との協働プログラムを通して経験値や実践力を高められる環境があることが、本学の強みだと考えています」(初見准教授)

なお、林部長によれば、この強みをさらに盤石にする施策が進められており、2024年度からの取り組みとして、例えば英文学科では、各セメスターに学外の組織・人や環境等と関わる機会を設定したほか、各学科に企業等と連携したPBL(Project Based Learning)科目の履修機会が設けられたという。一方、学外とのつながりを推進する実践女子大学において、とりわけ“つながる先”として重視しているのが“グローバル社会”だ。2024年4月には国際学部が新設され、全学的な“グローバル重視”の方針のもと、グローバルキャリアの形成に向けた支援の拡充が進められている。海外インターンシップも国際学部の学生だけではなく、全学生を対象としている。

「2024年度入学の学生から、学科専門科目や全学共通教育科目のカリキュラム改革を行い、短期の海外インターンシップに単位を付与する科目化も行っています。2024年度は11のプログラムを設定し、合計数十名の学生が参加する見込みですが、初めて海外へ行く学生でも、意欲があれば参加できるものも多いです。また、長期の海外インターンシップも2025年度から科目化する予定で準備を進めており、派遣先の新規開拓を随時行っています」(林部長)

新田さんも2年次にアメリカへの短期留学を経験し、現地でのコミュニケーションにおける工夫などについて、2年生を対象とした学内コンペティション「Jissen Student’s Reflection Award(JSRA)※1」で発表し、見事に優秀賞を獲得した。こうしたJSRAへのチャレンジをはじめ、さまざまなプログラムに挑戦してきたことが、就職活動で評価されたのは言うまでもない。

※1:Jissen Student’s Reflection Award(JSRA)
学生のリフレクションの習慣化と言語化を支援する取り組みとして、2022年度から始まった学内コンペティション

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渋谷キャンパスでの国際交流イベントの様子

誰もがチャレンジでき、誰もが成長を実感できる

2024年5月に創立125周年を迎えた実践女子学園は、同年4月に実践女子大学に国際学部を開設したほか、人間社会学部の現代社会学科をビジネス社会学科に改称し、社会デザイン学科を新設した。また、全学共通教育科目には文部科学省の「数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)」の認定取得を見据えた科目も設置され、キャリア形成に向けた学生の幅広い興味や関心、意欲に応える環境が整備されている。そして、2025年春には「環境デザイン学部」を新たに設置する。こうした改革を可能にしてきた背景には、学生を取り巻く社会の変化に柔軟に対応しながら、女子教育を125年継続してきた“実践女子学園らしさ”があるのではないか? あらためて、実践女子大学の魅力について伺った。

「かつて多くの大学では、『キャリア形成や就職活動は学生が個々に取り組めばよい』という考え方が主流でした。一方で、実践女子大学では低学年次からのキャリア形成支援の必要性がいち早く教職員の共通認識となり、J-TASによって正式に運用された点が特筆すべきポイントだと思います」(初見准教授)

「先生方が私たち職員を信頼し、学生を学生総合支援センターに誘導して情報共有してくださることで、それぞれの学生に適したサポートを行うことができています。“教職協働”は以前から本学の文化だったと思いますが、それを“仕組み化”したJ-TASがもたらしてくれたメリットは大きいですね。たとえチャレンジしたいことが見つけられていない学生であっても、試しに参加してみようと思える多様なプログラムを本学では用意しています。大規模大学ではないからこそ、抽選でも先着順でもなく、手を挙げれば誰でも参加できるものが多いので、ぜひ本学で成長し、自信を高めていってほしいと思います」(林部長)

「学生が挑戦したいと思ったことに対して、職員の方や先生方がしっかりサポートしてくださいますし、今では実践女子大学を選んで本当によかったと思っています。また、これまでは『J-STAFF※2』として新入生支援にも携わってきましたが、卒業後は社会人メンターとして後輩のキャリア形成サポートにも尽力していきたいと思っています。ぜひ、キャンパスでお会いしましょう!」(新田さん)

※2 J-STAFF:学内イベント等を企画・運営する学生スタッフ。修学支援を行うJ-STAFFは、履修登録の方法や時間割の組み方、学修と課外活動の両立などについて、先輩が新入生にアドバイスを行う。

(参考)
初見准教授 登壇セミナー(株式会社マイナビ主催)
https://internship-award.jp/ (2時間42分~ 30分弱)

〈参考〉
実践女子大学のキャリア形成支援改革(2023年公開 大学通信オンライン)
https://univ-online.com/prflag/23552/

実践女子大学のキャリア形成支援改革(2022年公開 大学通信オンライン)
https://univ-online.com/prflag/19595/


実践女子大学 就職・キャリアについて(実践女子大学サイト)
https://www.jissen.ac.jp/career/teinennjishien/copy_of_index.html