【私立高校探訪】生徒一人ひとりに合わせたサポートが大学合格に繋がる—花咲徳栄高校
花咲徳栄高等学校(埼玉県加須市 共学校)は、大学合格実績が堅調で、国公立大・大学校の合格実績は近年30名から50名を出している。一人ひとりの将来に合わせたサポートが、堅調な理由の一つとなっている。
高1のオリエンテーションを皮切りに、卒業生の体験談を交えながら将来への意識醸成を行なっている。一番の強みは3年間続く1対1の面談だ。担任にもよるが、面談は、およそ2ヶ月に一度行われており、対話を通して生徒が自身の実践を振り返る中で、キャリア意識を自発的に育むことを心がけている。
また、PDCA手帳という、ゴールから逆算して、いま何をすべきかを考えるためのツールがある。部活強豪校の同校だが、部活だけでなく学習面においても、このような考えが大いに役立っている。
目標とする大学が決まれば、クラスや学年の壁を取っ払って、先生が生徒一人一人をサポートする。各大学の入試事例も蓄積され、受験生への大きな情報源となっている。例えば、ある公立大学の入試では、英語の文章を読んでの論述と面接が課される。このような情報を基に、教員がそれに応じたアドバイスを行うなど、具体的なサポートが行われている。
また、卒業時の満足度が高いからこその、卒業生が協力的なことも特徴だ。卒業生が後輩のために置いていったノートを読むと、大学受験のイメージを早くから描くことができる。
近年は併願可能な推薦入試が増えており、推薦で合格を勝ち取り、ワンランク上の大学を目指す生徒も少なくない。
「520人の生徒がいれば、520通りの進路に向き合う、それが本校の考え方です」(同校募集広報科長 渡邉 篤志先生)という言葉に表れているように、同校の生徒一人一人の将来に真摯に向き合う学校の文化が、同校の結果に結びついているのを感じた。