学習塾が勧める中高一貫校ランキング2021
図書館が充実している中高一貫校

学習塾が勧める中高一貫校ランキング2021 図書館が充実している中高一貫校

写真=恵泉女学園中学・高等学校 メディアセンター


首都圏では中学受験人気が継続しているが、コロナ禍で学校の情報が思うように入手できない状況が続いている。そこで役立てたいのがエキスパートの意見だ。首都圏の学習塾にアンケートを実施し、289学習塾の塾長、教室長から回答を得た。項目別に学校を5校連記で記入してもらい、最初の一貫校を5ポイント、次を4ポイント……として集計した。今回は「図書館が充実している中高一貫校」だ。

1位は中央大附がランクイン。2位は恵泉女学園、3位は国府台女子学院、4位はトキワ松学園、5位は武蔵と続いた。

1位の中央大附は、日本図書館協会建築賞を受賞した、赤レンガ造り3層構造の図書館(本館)がある。約17万冊の蔵書と5,500タイトルの視聴覚資料は、高校図書館としては最大級の規模といえる。本館1階には3つの閲覧ゾーンと書架を配置し、3クラスの同時授業が可能。常時80台のパソコンが設置され、所蔵資料の検索や8種のオンラインデータベースが利用できる。また、2階には常時利用できる開架式の書庫と個人閲覧席を完備し、大学・公共図書館レベルの規模を誇っている。また、中学校舎には分館もあり、1クラスの授業が行える中央閲覧席のほか、AV資料視聴コーナーや40台のパソコンが配置されている。

2位の恵泉女学園は、生徒の自立的学習を支える「メディアセンター」を設置。1階から4階までの開放的なこの施設は、約9万冊の蔵書がある図書館としての機能のほか、コンピュータ教室、学習室、放送室、学園史料室などを内包し、24教室分の広さがある。このメディアセンターを利用して、中学ではオリジナルの「読書ノート」を用い、ノンフィクションを中心とした読書指導を実施。また、中学3年次の「情報I」の授業、国語の授業でのディベートや新聞作りなど、メディアリテラシー教育にも力を入れ、聞く・読む・書く・発表することを通して「考える力」を育んでいる。

3位の国府台女子学院は、図書館を学内の中心に配置し、教室10室分の広さがある空間に、朝早くから放課後まで学習に取り組める自習室や、少人数授業が行われる選択教室、生徒と話し合うための面談室を多数用意。特別教室を含むすべての教室は、ICTに対応した環境が整っている。また、フロアを「ブラウジングエリア」「調べ学習エリア」「本の壁の部屋」の3つのエリアに分け、書架も文系・理系のコーナーに分けている。生徒それぞれが自らの興味を探求したり、クラスごとの学びのテーマによってエリアを使い分けたり、効果的な学びができるよう設計されている。

4位のトキワ松学園は、広く明るい図書室に専任の司書教諭2人を配し、調べ学習に適した約41,000冊の蔵書を誇る。さまざまな教科でこの蔵書を活用した探究型の授業を展開。生徒たちは年間400時間以上を図書室で過ごし、情報検索力や言語力、論理力、コミュニケーション力などを磨く。その集大成として、生徒一人ひとりが自ら選んだテーマについて研究を深め、グループディスカッションやレポート作成に取り組む。こうした図書室を中心とした学習活動は、東京都内の私学で初めて「子どもの読書活動優秀実績校」として表彰された。

5位の武蔵は、2004年に完成した図書館棟に約76,000冊の蔵書と、約100席の閲覧席を備えている。3階にはゆったりと座れるソファーや窓際カウンター席、グループ閲覧席を配置して、新刊図書や雑誌を気軽に閲覧することができる。4階にはキャレルディスクが設置され、落ち着いた雰囲気で勉強ができる。また、同じ敷地(江古田キャンパス)内には武蔵大学図書館があり、約65万冊を収蔵する同図書館のサービスも利用することができる。武蔵ではこれら2つの図書館を研究・教育の中心と位置づけ、建学の三理想の一つである「自ら調べ自ら考える」学びができる環境を整えている。

<表の見方>

首都圏の学習塾にアンケートを実施し、289学習塾の塾長、教室長から回答を得た。項目別に学校を5校連記で記入してもらい、最初の一貫校を5ポイント、次を4ポイント…として集計した。
※印は国立、無印は公立、◎印は私立を表す


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