改革力が高い大学ランキング2020(関東・甲信越編)

大学改革
改革力が高い大学ランキング2020(関東・甲信越編)

写真=筑波大学

多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「改革力が高い大学(関東・甲信越編)」だ。

1位は筑波大学で84ポイント。2021年度の一般選抜では、受験生は文系、理系Ⅰ、理系Ⅱ、理系Ⅲのいずれかの区分を選択して受験し、どの区分で入学しても体育専門学群を除くすべての学類・学群に進むことができる「総合選抜」が導入された。募集人員は全体の25%とし、入学前に学類・専門学群を決めず、1年次の終わりに進学する学類・専門学群を決めることができる。一方、大学院では全面的に学位プログラム制※に移行し、8研究科85専攻から3学術院6研究群に改組。また、文部科学省の「卓越大学院プログラム」に「ヒューマニクス学位プログラム」が採択され、生命医科学と理・工・情報学の両研究分野における一貫制博士課程も誕生している。

2位は千葉大学で33ポイント。2016年に文理混合型の国際教養学部を新設し、2020年4月には国際学術研究院を設置。全国初の学位プログラム「総合国際学位プログラム」がスタートした。2018年には国立大学初の「治療学人工知能(AI)研究センター」が開設されたほか、2019年には文部科学省の「卓越大学院プログラム」において、「革新医療創生CHIBA卓越大学院」と「アジアユーラシア・グローバルリーダー養成のための臨床人文学教育プログラム」の2件が採択されている。また、学事暦には6ターム制を導入。図書館としての機能とともに、「アカデミック・リンク」の拠点としても機能する千葉大学ALC(アカデミック・リンク・センター)や、英語力強化のためのイングリッシュ・ハウスの整備など、設備面の充実も著しい。

3位は千葉工業大学で23ポイント。「世界文化に技術で貢献する」を建学の精神とし、現存する国内最古の私立工業大学として確固たる地位を築いている。全国の工科系大学を対象とした「改革力が高い大学」でも3位に入っており、近年ではデザイン科学やプロジェクトマネジメント、未来ロボティクスなど、社会が求める学科を日本で初めて開設した。また、同大の最先端技術を集結した体感型アトラクションゾーンとして、東京スカイツリータウン®キャンパスも整備。「はやぶさ2」のほぼすべての科学観測機器の検討と開発に参画した「惑星探査研究センター」や、「未来ロボット技術研究センター」における研究の成果を、誰でも自由に見学することができる。

4位は22ポイントで新潟大学。5位には、15ポイントで千葉商科大学がランクインした。2017年に「持続可能な社会づくりを目指す」とする学長プロジェクトをスタートさせた同大では、2019年に「千葉商科大学SDGs行動憲章」を策定。現在は幅広くSDGsの目標達成を目指しながら、社会に貢献するための教育研究や地域貢献活動を推進している。創設者の遠藤隆吉博士は、武士道精神を教育の基本に据え、単なる学問のための学問ではなく、社会に役立つ実学の教育を推進した人物だ。SDGsの17の目標に共通するテーマである「誰一人取り残さない(leave no one behind)」は、武士道の「仁」につながるものであり、現代における武士道精神の実践としてSDGsに取り組む点に特徴がある。

※学生に学位を取得させるに当たり、当該学位のレベルと分野に応じて達成すべき能力が明示され、それを修得させるように体系的に設計された教育プログラム

<表の見方>

全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、910校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
大学名の◎は私立、※は国立、無印は公立を表す。


改革力が高い大学ランキング2020(関東・甲信越編)