大学ランキングで高評価—武蔵大学と産業能率大学の事例紹介
写真=武蔵大学
武蔵大学(東京都練馬区)は、大学通信が調査する全国766進学校の進路指導教諭に対するアンケートをもとにした大学ランキングにおいて、多数の項目で高評価を得た。ランキングでは、「面倒見が良い大学」で全国3位、15年連続で首都圏1位を獲得し、「小規模だが評価できる大学」では全国2位。また、「入学後、生徒を伸ばしてくれる大学」では全国8位という結果となった。
同大は、日本初の私立七年制高等学校を起源とし、創設以来「自ら調べ自ら考える」力を育む少人数教育を重視している。特に、ゼミナール形式の授業は、1クラス平均13名、全ての学生が能動的に参加できる環境を提供している。この取り組みにより、学生同士の双方向のコミュニケーションが促進され、協働的な学びが生まれる。さらに、教員は学生の学びを全方位からサポートし、ゼミでの活動を通じて自学自習では得られない新たな知見の獲得を目指している。
また、キャリア支援では、少人数教育を活かしたきめ細やかさが特徴で、キャリア支援センターにはキャリアコンサルタントの資格を持つ職員が常駐し、3年次には全学生との個別面談を実施している。「武蔵しごと塾」では、社会で活躍する卒業生や内定を得た4年生が業界ごとに少人数グループで交流し、学生が主体的にキャリアイメージを描けるよう支援している。
一方、産業能率大学(東京都世田谷区)も、同ランキングにおいて高い評価を受けた。「小規模だが評価できる大学」ランキングで全国8位にランクインし、「面倒見が良い大学」では全国8位、「就職に力を入れている大学」でも全国13位に位置付けられている。産業能率大学は、「実学教育」を根幹に置き、社会で役立つ能力を育成するために、1年次から4年次まで一貫した「ジェネリックスキル開発プログラム」やプロジェクト型学習(PBL)を実施している。これにより、学生は理論と実践を結びつけ、問題発見力や解決力を高めることができる。
さらに、教員の73.5%が企業出身であるため、学生はリアルなビジネス環境を学ぶことができる。専門科目においては、アーティストプロモーションやスポーツプロモーション、自由が丘スイーツプロモーションなど、実践的な授業が用意されており、興味に応じた履修が可能である。また、キャリア支援の一環として、2年次後学期の専門ゼミ以降、各ゼミにキャリアセンターの職員を専属チューターとして配置。学生一人ひとりをよく知るチューターと専門ゼミの教員によるダブルサポート体制で学生の個性や志望に合わせた支援を展開している。このように、産業能率大学は、学生の個性や志望に応じたきめ細やかな支援を行い、今後も「実学教育」を推進していく考えである。
両大学は、それぞれの特色を生かした教育環境を提供し、学生の主体的な学びやキャリア形成を支援する取り組みを進めている。