入学後、生徒を伸ばしてくれる大学ランキング2023(全国編)
写真=東北大学
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「入学後、生徒を伸ばしてくれる大学ランキング(全国編)」だ。
1位は東北大学で437ポイント。同大は2019年度から、全学教育で新たな教育プログラム「挑創カレッジ」を開始した。世界で活躍するための語学・コミュニケーション力、国際教養力、行動力を育む「TGLプログラム」。データサイエンスの手法を適用して課題を解決するためのスキル・知識を養う「CDSプログラム」。起業や新規事業創出に挑戦するための知識・行動力の修得を目指す「TELプログラム」。持続可能な開発目標の達成に向けた分野横断的な知識や考え方を学ぶ「SDGsプログラム」。国際機関や国際的な研究分野で活躍するために英語以外のもう一つの言語能力を修得する「TU PluSプログラム」。これら5つのテーマのもと、社会を先導する創造力豊かなリーダーを育成している。
2位は東京大学で 234ポイント。3位は金沢工業大学で233ポイント。金沢工業大学は、独自の問題発見解決型教育「プロジェクトデザイン教育」を中心に、社会で活躍できる人材を育成する大学だ。企業や地域社会を巻き込んだ「共創教育」が盛んで、学生はキャンパスと地域社会の両方で技術やアイデアの社会実装が可能。入学時点で将来のキャリアが定まっていない人も、さまざまな活動を通してやりたいことが明確になっていく環境だ。教育DXの取り組みも充実している。学業成績のビッグデータをAIが分析し、就学アドバイザーがデータを参照しながら面談を行うことで、成長をサポートしている。VR・AR技術の活用にも積極的で、授業や研究に最適な形で導入が進む。日本全国・海外の大学や企業との連携を推進することで、質の高い文理融合教育を実現している。
4位は東京理科大学で230ポイント。真に実力を身につけた学生だけを卒業させる「実力主義」の教育方針を建学時から貫く大学だ。1年生から2年生への進級時に指定科目の単位取得が必須な「関門制度」を設けるなど、学生を鍛える教育を行っている(経営学部のみ関門制度は2年生から3年生への進級時)。既存の学問分野を越えた「融合と統合」によってイノベーション創出にも注力。特に創域理工学部では、専攻の異なる研究室と分野を越えて研究に取り組める「横断型コース」を大学院に設置している。また、早期からの専門的研究能力養成を目的に学部教育と大学院修士課程を一体化した「6年一貫教育コース」の導入など、研究開発において企業で「即戦力」になる人材の育成に取り組んでいる。
<表の見方>
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全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、645校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
学校名の※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。