就職に力を入れている大学ランキング2022(女子大学編)
写真=昭和女子大学
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「就職に力を入れている大学ランキング(女子大学編)」だ。
1位は昭和女子大学で47ポイント。2022年3月卒業生の実就職率は94.5%で、全国の女子大学で12年連続第1位の実績をあげている(※)。同大の「キャリア教育」は1年次から始まり、生き方・働き方を設計する力を身につける。「キャリア支援プログラム」では、就職活動支援講座や個別面談、ライティングサポートを実施。さらに、独自の「社会人メンター制度」を設け、同大の卒業生だけでなく幅広い分野で活躍する社会人女性約370人がメンターとして登録。学生の相談に応じている。また、大学で学んだ専門知識と技能を生かし、学修の成果を社会で実践する学生プロジェクトも盛んに行っており、講義や実習だけでは得られない体験を通して新たな自己を発見し、成長できる学修環境が用意されている。
※卒業生数1,000人以上の大学中。
2位は東京女子大学で17ポイント。年間150日を超える各種行事の実施、センター職員が担当を持って学生一人ひとりを支援する体制のほか、100年の伝統が生きるOGの就職セミナー、YouTubeやAIの活用など、伝統と革新を両立したキャリア支援が強みだ。また、卒業論文、Final Presentation、卒業講究が必修であり、授業や少人数の演習を通して主体的に学ぶ姿勢、問題を認識・分析・解決する力、論理的思考力、広い視野でキャリアを開拓できる力などが養われる。また、社会人に求められる基礎力を高める「挑戦する知性科目」を開講。海外の諸機関で国際的・現代的諸問題を英語で学ぶ科目や、企業や自治体と連携して実社会の課題解決に取り組む科目など、実践的な科目が用意されている。
3位は日本女子大学で14ポイント。2021年に創立120周年を迎えた同大。1901年の創立以来、女性のための高等教育機関のパイオニアとして、社会の発展に貢献しうる女性人材の育成に取り組んできた。就職支援においては、キャリア支援課がオンラインも利用して就職ガイダンスや各種講座を開講。企業向けの業界研究・職種研究のほか、教員採用試験や公務員試験向けの対策なども実施している。学生には随時アンケートを行い、個別相談など学生一人ひとりの状況に応じたサポートを展開。卒業生によるバックアップ体制が整っていることも特長で、多種多様な分野で活躍する卒業生が協力する相談会は、就職活動中の学生に毎年好評を博している。
4位は共立女子大学と実践女子大学が12ポイントで並んだ。
共立女子大学は、「女性の自立と自活」を建学の精神に、1986(明治19)年に共立女子職業学校として創立。現在は「リーダーシップ」教育に力を入れている。同大が考えるリーダーシップは「他者と協力し合いながら物事を進めていく力」。これからの社会に必要不可欠なスキルであり、チームの目指す成果や環境にポジティブな影響を与えることができる人材育成を目指す。就職支援の一つとして、就職活動を始める学生全員に面談を実施。キャリアカウンセラーが常駐し、いつでも相談に乗れる体制がある。また、学生の就職活動の状況を把握するために電話かけを実施し、困っている学生にはオンラインでも相談を受けるなど、学生が満足できる進路先を決定できるよう支援を続けている。
実践女子大学は、2019年4月から成長支援システム「J-TAS(Jissen Total Advanced Support)」を導入。学生一人ひとりの成長記録を蓄積して教職員が共有できる環境を整えたほか、履修から学生生活、就職活動までサポートする「学生総合支援センター」を設置。さらに、クラス担任やアカデミック・アドバイザー、カリキュラムアドバイザー、キャリアアドバイザー、助手、学生支援スタッフが協働でサポートすることで、学生の個別支援を強化した。また、企業や地域と連携した問題解決型学習(PBL)や課外活動プロジェクトなど、学生が主体的に成長できるプログラムを拡充。こうした取り組みにより、2018年度は90.2%だった実就職率が、2021年度には94.0%という過去最高の数値となった。
<表の見方>
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全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、624校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
設置の※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。