教育力が高い大学ランキング2022(北陸・東海編)

ランキング
教育力が高い大学ランキング2022(北陸・東海編)

写真=名古屋大学

多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「教育力が高い大学ランキング(北陸・東海編)」だ。

1位は名古屋大学で65ポイント。同大は2020年度に岐阜大学と「東海国立大学機構」を設立し、両大学の教育改革の司令塔として「アカデミック・セントラル」を設置した。この組織を基盤として、両大学が共同実施しているプログラムの一つが「英語による夏季集中講義(サマーキャンプ)」だ。この英語合宿では、英語を使って論理的思考やアカデミック・ライティング(学術的文章術)、チームビルディング(課題解決のためのチーム作り)などに挑戦する。また、学部生対象の全学教育科目において、社会のさまざまな場面で新しい価値を生み出す基盤となるデータ分析能力を身につける、データ科学科目群を開設するなど、「数理・データ科学教育」の推進にも取り組んでいる。

2位は金沢工業大学で58ポイント。同大は、短期間で技術革新が起こる変化の激しい社会で活躍できる学生を育てるため、「社会実装型の教育・研究」を推進。その中心的な役割を担うのが、企業や地域社会を巻き込んだ「共創教育」だ。多くの学生が異分野連携で研究に取り組んでおり、大学全体で約250のプロジェクトが動いている。その一つ「エネルギーマネジメントプロジェクト」では、地元企業などと連携して再生可能エネルギーの地産地消に向けた研究を実施。エネルギーの需給調整の全体コントロールには電気電子工学科の学生が、バイオマス発電の効率的な運用には機械工学科の学生がそれぞれ関わるなど、共同研究ではさまざまな学科の学生が学び合い、成長する場となっている。

3位は9ポイントで南山大学と名城大学が並んだ。
南山大学は、「国境のない学びの場」とするための改革と環境整備を推進。外国語で行う授業「国際科目群」では、経済学や文学など約70科目を開講(2022年度実績)。また、22年4月には178室の寮室を有し、外国人留学生と日本人学生がともに暮らし学び合う国際性豊かな学生宿舎を開寮した。1年次から入居可能で、全入居者を対象に年間を通じた「教育プログラム」が提供され、多様化する社会で必要なスキルを身につけるためのさまざまなアクティビティが用意されている。さらに、米国を中心とした海外の大学とCOIL(※)を活用した教育プログラム「NU-COIL」を展開。SNSやLMS(学習管理システム)などを使って南山大学生と海外の大学生をつなぎ、協働プロジェクトを行っている。
※Collaborative Online International Learning、オンラインを活用した国際的な双方向の教育手法

名城大学は、2022年に「情報工学部」を開設。10学部23学科となり、文系・理系の幅広い分野の教育・研究を展開している。「実学」を重視する同大では、講義科目だけでなく、実社会を学びの場にしたフィールドワークやPBL(課題解決型学習)といった実践型の教育を広く導入。所属学科以外の学部・学科で開講されている科目を履修できる「他学部履修制度」や「副専攻制度」も設置し、専門分野の学びをより強固にするための他分野の学びや、入学後の興味・関心の変化にも柔軟に対応できるカリキュラムを提供している。2022年度からは、全学部共通科目「データサイエンス・AI入門」を開講。複数学部の教員が授業を担当し、各分野における活用事例やデータ分析手法などを学ぶことができる。

<関連記事>
2022年進路指導教諭が評価する大学ランキング
教育力が高い大学ランキング(全国編)
面倒見が良い大学ランキング(北陸・東海編)
就職に力を入れている大学ランキング(北陸・東海編)
グローバル教育に力を入れている大学ランキング(北陸・東海編)
改革力が高い大学ランキング(北陸・東海編)
小規模だが評価できる大学ランキング(北陸・東海編)
入学後、生徒を伸ばしてくれる大学ランキング(北陸・東海編)

<表の見方>

全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、624校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
設置の※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。

 

教育力が高い大学ランキング2022(北陸・東海編)

最新のランキングはこちら