改革力が高い大学ランキング2022(全国編)
写真=早稲田大学
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「改革力が高い大学(全国編)」だ。
1位は早稲田大学で252ポイント。「研究の早稲田」「教育の早稲田」「貢献の早稲田」を柱に、さまざまな分野で改革を進める同大だが、中でも教育に関しては、グローバルエデュケーションセンターによって体系化された全教育システムが、学生から高い評価を得ている。特に、全学部共通の「基盤教育」は、大学における学びに必要なアカデミックツールの修得を目指すプログラムで、「アカデミック・ライティング」「英語」「データ科学」「数学」「情報」など、社会人になってからも役立つスキルを身につけることができる。また、「リベラルアーツ科目」では、学部や学年を問わず受講できる2000以上の科目が用意され、多様な学びを通して、幅広い知見を養うことができる。
2位は東北大学で209ポイント。2022年に創立115年を迎えた同大は、「コネクテッドユニバーシティ戦略」の実現に向けた多様な取り組みを行っている。その底流にあるのが、建学以来の理念「研究第一」「門戸開放」「実学尊重」だ。このうち「門戸開放」は、出身校や性別、国籍等にとらわれずに幅広い人材を受け入れ、多様性の力を信じて発揮するという理念であり、1913年には日本の大学で初めて女子学生を受け入れた。2022年4月には「東北大学ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン推進宣言」を発出し、「門戸開放」の理念をさらに深めている。また、国際化を牽引できる人材育成に向け、「ユニバーシティ・ハウス」では日本人学生と外国人留学生が混住し、異文化理解を深めている。
3位は近畿大学で181ポイント。同大は時代のニーズに応えるカリキュラム改革を推進してきた。2011年には日本初の建築学部、2016年には大学全体のグローバル化を牽引する国際学部、2022年には先端IT人材の育成を担う情報学部を開設し、Society 5.0を実現するクリエイティブな技術者を養成している。情報学部棟には全学生が利用できるesports施設「esports Arena」を設置。「アカデミックシアター」には図書館スペースや24時間利用可能な自習室などのほか、学生・教員・企業が集う実験的なモノづくり拠点「THE GARAGE」などがある。また、次世代型新食堂では栄養価の高い食事を提供し、キャッシュレス決済も推進するなど、施設面での整備・改革も進められている。
<表の見方>
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全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、624校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
設置の※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。