写真＝金沢工業大学の夢考房
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「面倒見が良い大学ランキング（全国編）」だ。
1位は金沢工業大学で297ポイント。同大では、学生の意欲や疑問に応じる多様なサポート環境を提供しているが、代表的な施設が「数理工教育研究センター」だ。ここでは、専門的な学びの基礎となる数学・理科の個別指導が受けられる。また、毎日24時間使用できる自習室や、チームで利用できる「CDIOイノベーション&デザインスタジオ」、ライブラリーセンターなど、授業外に使える学びの空間がいたるところに設置されている。ものづくりの拠点「夢考房」には、金属3Dプリンタや樹脂3Dプリンタ、金属加工、樹脂加工ブースのほか、2つの巨大な屋内試走スペースを整備。ソーラーカーやロボット、飛行機などをテーマにしたものづくりの部活「夢考房プロジェクト」の活動も盛んだ。
2位は東北大学で212ポイント。同大は、主に教育力に着目して評価するタイムズ・ハイヤー・エデュケーション（THE）の「世界大学ランキング日本版2022」においても、3年連続で1位に選出された。2022年度からは「未来を構想してその実現に挑む」をテーマとした新しい全学教育カリキュラムがスタート。基盤科目類・先進科目類・言語科目類・学術基礎科目類に分け、最先端の研究に裏打ちされた多種多様な科目を提供し、初年次の学生から大学院生まで履修を可能にした。また「東北大学学生支援パッケージ」として、学生参画型ピアサポーター制度などの経済支援のほか、学生が安心して学生生活を送れる支援体制を整備。学業、生活、課外活動に関する総合的な支援を行っている。
3位は武蔵大学で111ポイント。ゼミを主軸とする少人数教育の伝統は、キャリア支援にも生かされ、学生が主体的に進路決定できるよう指導している。キャリア支援センターには、キャリアカウンセラーの有資格者など経験豊富な職員が常時10人以上在籍し、就職活動が本格化する前には3年生全員に「個別面談」を実施。内定を獲得た4年生も就職活動に関する質問や相談に応じるなど、きめ細かなサポートを行っている。また、実践的な就職支援プログラム「武蔵しごと塾」では、キャリアコンサルタントによる本番さながらの模擬面接を通して、実際の面接の雰囲気を体験。卒業生との多業種交流会も行い、仕事のやりがいや大変さなどを聞きながら、働くことのイメージを膨らませていく。
＜表の見方＞
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全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、624校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
学校名の※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。
