小規模だが評価できる大学ランキング2022(全国編)
写真=武蔵大学
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「小規模だが評価できる大学ランキング(全国編)」だ。
1位は国際教養大学で303ポイント。2位は武蔵大学で170ポイント。
武蔵大学は、日本初の私立七年制高校である旧制武蔵高等学校をルーツとし、創立時からゼミを中心とした「自ら調べ自ら考える」力を養う少人数教育を行っている。十数人で学ぶ同大のゼミの魅力は、学生同士が対話を通じて物事の本質を見極め、追究していくことにある。1年次から4年間(※)、全学生がゼミで学ぶため、興味のある分野について段階的に知識を深めることができる。さらに、ゼミ教育の発展型である「学部横断型ゼミナール・プロジェクト」では、異なる専門を持つ学生が学部を越えてチームとなり、企業からの課題に取り組む。こうしたゼミでの学びを通して、協働する大切さを理解し、多様な視点やリーダーシップ、自主性を磨くことができる。
※国際教養学科経済経営学専攻の1年次は、ゼミに代わる少人数形式の授業を実施。
3位は国際基督教大学で146ポイント。少人数による「リベラルアーツ教育」が伝統の同大は、専任教員1人あたりの学生数は19人。多くの授業がグループワークやディスカッションを中心に行われている。また、全学生が「教養学部 アーツ・サイエンス学科」に所属するが、一般教育科目や各メジャー(専修分野)の基礎科目を通して興味ある領域を見極め、2年次の終わりまでに31のメジャーから自分の専門を決定する。2つのメジャーを同時専攻する「ダブルメジャー」、2つのメジャーを比率を変えて専攻する「メジャー、マイナー」といった履修も可能。メジャーには「文学」「経済学」「法学」「生物学」などの伝統的な分野から、「国際関係学」「環境研究」のような地域解決型、問題解決型の分野がある。
4位は会津大学で92ポイント、5位は産業能率大学で80ポイント。
産業能率大学は、課題解決力の養成を教育の柱に、先進的な取り組みを行っている。その一例として、企業や地域と連携したPBL(Project Based Learning)学習がある。この授業では、学生たちが現実社会が抱える問題と対峙し、課題発見の視点を身につけることを目的としている。また、チームで問題に取り組み、その成果を学外に発信していくという学びのスタイルは、社会通用性を知るうえで重要なファクターとなっている。こうしたプロジェクト型学習を通して、企業や組織が求める「コミュニケーション力」「論理的思考力」「問題解決能力」「リーダーシップ」などが磨かれる。なお、こうした教育の成果が実を結び、同大は毎年高い就職内定率(2021年度実績:99.1%)を維持している。
<表の見方>
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全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、624校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
設置の※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。