東大・京大合格者数合計トップ200校
京大合格者数が鍵を握る

ランキング 安田 賢治
東大・京大合格者数合計トップ200校 京大合格者数が鍵を握る
写真=西大和学園中学校・高等学校

トップ開成、2位灘、3位北野、京大合格者数が鍵を握る

今年の東大と京大はいずれも一般入試志願者が減った。東大は224人、2.4%減の9259人、京大は326人、4.1%減の7699人だった。安全志向から難関大が敬遠されたのが理由と見られる。

その中で、東大と京大の合格者数合計トップは開成の197人で、2位に大差をつけた。東大は39年連続トップとなる185人、京大は12人合格だ。東大には推薦入試で教養学部に合格した1人、京大には特色入試で総合人間学部に合格した1人を含んでいる。東大には平成に続き、令和最初の入試でもトップだった。合格した学類別内訳を見ると、文Ⅰ、文Ⅲ、理Ⅰ、理Ⅱの4学類でトップだった。

2位は灘で128人。東大79人、京大49人合格だ。東大には推薦入試で理学部1人、京大の特色入試では理、工、農学部に各1人計3人合格している。東大では理Ⅲ14人、京大医学部医学科24人で、ともにトップだった。東大は昨年17人減と医学部志向の高まりで減少したが、今年も5人増にとどまった。塾講師は「センター試験の数学Ⅰ・Aが新傾向になりましたが、そこで躓いた生徒が多かったと聞いています」と言う。

3位は北野で111人。東大11人、京大は3年連続トップとなる100人だった。京大には総合人間学部2人、医学部人間健康科学科1人、農学部1人計4人の特色入試合格者を含んでいる。京大のトップ合格者数が三桁になるのは2009年の洛南の105人以来11年ぶりだ。京大合格者の学部別内訳を見ると、教育、経済、薬、工、農の5学部でトップだった。

4位は西大和学園の105人で、東大に53人、京大に52人だ。今年初めて女子の一貫生が卒業し、昨年より29人合格者が増えた。東大合格者数は近畿圏では灘に次いだ。5位は東大寺学園、6位は国立トップの筑波大附駒場だった。筑波大附駒場は東大93人に対して、京大は1人で、東大志向が強い学校だ。7位の女子校トップの桜蔭も87人合格しているが、内訳は東大85人、京大は2人と東大志向が強い。今年は東大合格者数が昨年より19人増え、過去最高の3位に入った。

今年の東大入試では女子の躍進が目立った。大手予備校によると「今年の東大入試は英語と数学が難しく、数学は難し過ぎて差がつかず、難化した英語の成績がカギを握り、英語の得意な生徒の多い女子合格者が増えたのではないか」という。女子の躍進により、東大一般入試の合格者の女子の割合は、昨年の16.9%から18.5%にアップした。推薦入試でも女子の合格者は過去最高の33人で、合格者に占める割合も昨年の42.4%から45.2%になった。推薦入試、一般入試に外国学校卒業学生対象の特別選抜で合格した女子を含めると、女子の割合は19.6%で、20%近くにまで上昇している。

ランキングではトップ10は中高一貫校が強く、公立高は北野と天王寺だけだった。しかも近畿圏の学校が6校を占め、京大に強い学校が上位にきていることが分かる。10位の天王寺は、京大合格者数で北野に次いで2位だった。昨年より29人増えて76人合格だ。学部別でも総合人間、理、工(北野とタイ)の3学部でトップだった。この京大の北野、天王寺のワン・ツーは1977年以来43年ぶりのことだ。東大との合計合格者数は79人だった。公立名門高の復活といえよう。

京大で東京圏からの合格者が増加 西21人、国立16人など

また、京大の全国化が進んでいる。近畿2府4県からの合格者に占める割合は、10年前の54.4%から今年は50.6%に下がった。一方、東京圏(埼玉、千葉、東京、神奈川)からの合格者は10年前の6.7%から12.9%にアップしている。山中伸弥教授がノーベル賞を受賞後、東京圏からの志望者が増加した。東京圏で合格者最多は27位の西の21人。東大は20人だから合計で41人になるが、京大合格者のほうが多い。同じ27位で41人合格の都立高トップの日比谷は東大40人、京大1人で東大志向が強いのとは対照的だ。

同じく51位の国立は京大16人で、東大も同じ16人だ。国立は夏に京大見学ツアーを実施し40人が参加した。山極壽一総長の母校であることも影響しているのかもしれない。次いで11位の麻布と39位の湘南が14人、7位の渋谷教育学園幕張13人、開成12人など。93位の城北は京大9人で、東大の8人よりも多かった。147位の青山は京大に7人合格で、東大は2人だった。東京圏で京大人気が高まっている。

一方で、近畿圏での東大志向はというと、灘、西大和学園、東大寺学園、9位の甲陽学院などは、多くの合格者を送り出している。ところが、それほど多くないのが公立高だ。東大合格者は天王寺が3人、19位の膳所は京大に60人合格しているが東大は1人。20位の奈良は6人、21位の堀川は3人など。近畿圏の公立高では京大志向が強い。

次に10年前から伸びた学校を見てみよう。上位では、北野が2010年の45人から今年は111人に2.5倍の合格者数となった。同様に天王寺が2.3倍、25位の渋谷教育学園渋谷が3.5倍、30位の浜松北も12人から40人に3.3倍に増えている。37位の横浜翠嵐は3.1倍、39位の湘南は2.4倍だ。ここでも公立名門校の躍進が目立つ。さらに、10年前に合格者がひと桁の学校では、51位の須磨学園が9人から32人に増えている。他にも72位の船橋・県立が4人から21人、芝が7人から21人、76位の戸山は6人から20人などだ。

来年から東大は学校推薦型選抜で募集を変更する。今年までは、応募できるのは各校2人までで男女各1人だった。それを各校4人、男女各3人まで応募できるようにする。今年の東大推薦入試では、合格者は昨年より7人増えて73人だったが、募集人員は100人で今年も定員を下回った。過去5回の推薦入試でも、募集人員を上回った年はない。東大合格者数の多い別学の中高一貫校は、今までは1人しか応募できなかったが、これで3人まで応募できることになる。果たして、学校推薦型選抜の合格者は増えるのか注目される。

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