大学入試センター試験の志願者数発表
現役生、浪人生ともに志願者は減少に

入試 小松 栄美
大学入試センター試験の志願者数発表 現役生、浪人生ともに志願者は減少に

20年1月18日・19日に行われる最後の大学入試センター試験の志願者数が、独立行政法人大学入試センターから発表された。

20年度の志願者数は55万7698人で、前年度よりも1万9132人減少した。減少率は3.3%と、前年の減少率1.0%を大きく上回る。

志願者数の現浪別の内訳は、現役生が45万2234人(81.1%)、浪人生(高等学校卒業者)が10万376人だ。

現役志願者は1万2716人減り、減少率は2.7%。20年3月の高等学校卒業者は、前年と比べて1.3%減ると見られているが、それを超える減少となった。現役志願率(高等学校卒業見込み者のうち、センター試験に出願した者の割合)も前年より0.7ポイント低い43.3%と、18年をピークとして2年続けて下降した。

一方、浪人生は6306人、前年比5.9%の減少となった。4年ぶりの減少で、学習指導要領の改訂による新入試初年度となった15年の11.8%減には及ばないものの、入試変更のない年としては大幅減少といえる。

受験教科数が3教科以上の志願者は、96.4%と前年より0.2ポイント下がった。国公立大は5教科以上の受験、私立大は、難関大のセンター試験利用入試では3教科以上の受験が求められることが多いため、国公立大や難関私立大のセンター試験利用入試をめざす志願者は減っていると見られる。

20年度センター試験の志願者減少は、少子化に加えて、受験生の安全志向も一因に挙げられる。都市部の大規模私立大が「定員厳格化」によって難化したこと、さらには来年度から始まる大学入試改革の影響もある。20年度入試は改革前年ということもあり、浪人できないと考える受験生が、一般入試を敬遠したことによるものだ。そのため、AO入試や推薦入試をめざす層が増えたと見られる。

新しく始まる大学入学共通テストの外部英語試験利用の延期が発表されたのは11月1日。現役受験生にとって、浪人したら最も負担が重いと考えていた外部英語試験受検が延期になったわけだが、発表が遅く、今さら難関大挑戦に舵を切れない。センター試験の出願も締め切った後だ。また、浪人生が減少したのは、19年中に入学を決めた受験生が多かったからだろう。今年の入試も安全志向だったのは、来年入試の混乱を見越し、現役のうちに合格を勝ち取った受験生が多かったからだと見られる。

20年度センター試験を利用する大学は、全国公立大(国立82校、公立91校)と私立大533校、公私立短大152校。前年度より6校増え、過去最多の858校が利用する。