私立大一般選抜前期は、上智大、拓殖大、関西外国語大などが人気
入試方式の新設、受験料の併願割引などの改革で志願者数が増加
大学入試センターから、大学入学共通テストの最終集計が公表された。志願者数51万2581人に対し、追試験を含む総受験者数は47万4051人で、受験率は昨年より0.4ポイント高い92.5%。国公立大型の7科目以上の受験者は58.2%と、昨年比0.8ポイントアップした。平均点は、専門理科の理科②で得点調整が行われ、化学は加点調整により昨年比6点アップ、生物は9点をプラスした調整後の点数でも0.4点ダウンし、過去最低だった22年を下回った。
3日に文部科学省が発表した国公立大2次試験の志願者数は、出願締切日の速報値で38万7085人。志願倍率は3.9倍だ。
私立大の一般選抜は、前期試験の合格者発表が始まっている。8日までに出願を締め切った私立大の志願状況を見ていこう(共通テスト利用入試を含む。昨年差は2月8日以前に出願を締め切る方式の合計で算出。*は集計中)。
首都圏で志願者の増加が目立つのは、上智大、拓殖大、東京電機大、明治学院大などだ。中でも拓殖大は、82%と大きく増加した。昨年大きく減った(17%減)反動に加え、出願締切が共通テスト後で、併願受験料の割引や英語外部試験のスコアを「みなし点」とする制度を導入したことが増加の理由だ。共通テスト方式に限定すると、前年比3.8倍の増加。最も増加した外国語は全方式合計で2.8倍に増えた。
明治学院大は20%増加した。一般入試英語外部検定利用型と共通テスト利用入試の増加が著しい。上智大は18%増加。大学で受験する選抜方式ではやや減ったが、共通テストの成績だけで判定する方式で従来の4教科型に加えて3教科型を導入し、その志願者数が昨年の2.2倍に増加した。大正大*は新設のチャレンジ入試や共通テスト方式を中心に18%増加。東京電機大も18%増加、最大4学科の併願ができるようになり、英語外部試験利用方式を中心に増加した。
近畿圏では、関西外国語大が40%と大きく増加した。学部の新設、学科併願の受験料割引に加え、共通テスト利用入試(3・2科目型)に5科目型を新設。共通テスト利用入試は昨年比57%の増加だ。
このほかには、関西学院大が15%増加し、中期日程を新設して外部英語試験活用型入試を前期・中期に導入した甲南大*で16%増加した。
2月6日までの判明分で、志願者数が10万人を超えたのは、多い順に近畿大、明治大、千葉工業大*の3校。近畿大は13万5048人で2位の明治大と約2万8千人の差がある。最終的な志願者数は、後期出願締切後に確定するが、23年も近畿大が一般選抜の志願者数トップになりそうだ。
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