倍率が年々緩和傾向にある私立大一般選抜
23年は共通テスト利用方式の志願者が増加
私立大の一般選抜が始まった。
私立大の志願者数は、1月末時点で確定値を公表した主要大学の状況を見ると、ほぼ昨年並みとなっている。
近年は年内入試で進学先を決める生徒が増え、一般選抜による大学入学者は私立大では4割程度に減った。入学者が定員を超過した私立大の補助金が減額される「定員管理の厳格化」の影響で、一般選抜は一時高倍率になったが、受験者総数を合格者総数で除した実質倍率は19年の4倍をピークに年々下がっている。22年度の一般選抜では2.7倍だ。今春からは「定員厳格化」も緩和(基準が全学年の総定員に変更)される。
23年の大学入学共通テストでは平均点がアップ。先月28日・29日に実施された共通テストの追試験は、新型コロナウイルス感染や体調不良などの理由で欠席した3千900人が受験を許可され、過去最多の人数となった。コロナの新規感染者数は1月中旬をピークに減少傾向にあるが、試験場や移動時の感染を警戒し、私立大を共通テスト利用方式で受験する生徒は昨年以上となりそうだ。
1月末までに出願を締め切る私立大前期一般選抜の志願状況を見ていこう(昨年度志願者数との比較。原則として1月31日までに出願を締め切った方式で、大学入学共通テスト利用方式を含む。*は集計中、1月31日判明分)。
首都圏の難関大は、慶應義塾大1%減、上智大18%増。上智大は共通テスト利用方式が昨年の2倍以上と大幅に増えた一方で、個別試験を受験する方式では減少した。早稲田大*は共通テストのみで判定する方式が8%増、他の方式では減少しているが、集計中のため合計値では昨年並みとなりそうだ。
MARCH(明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大)は5校の合計で2%減。明治大*と中央大がそれぞれ5%増、立教大は7%減、青山学院大は8%減。法政大*は現時点で7%減。22年度に減少が目立った中央大で増加した一方、大きく増加した青山学院大では減少し、昨年の増減が影響した出願状況といえそうだ。
このほか、昨年減少し今年増加した大学は、学習院大、日本大*、専修大*、東京都市大など、逆に昨年増加し今年は減少した大学には東京理科大、成蹊大*、成城大などがある。
近畿圏では、関西学院大が14%増、同志社大*は9%増、立命館大5%増、関西大2%減。志願者数が増加した近畿圏の主な大学をあげると、甲南大*は一般選抜に中期を新設して16%増加、龍谷大は心理学部新設で10%増、関西外国語大は国際共生学部新設や学科増設などで40%の大幅増となった。
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