国立大志願者は超安全志向で昨年比6%減
高難易度の医学・歯学系が大幅減に

入試 小松 栄美
国立大志願者は超安全志向で昨年比6%減 高難易度の医学・歯学系が大幅減に

国公立大2次試験の出願が5日に締め切られ、志願状況(2月5日現在)が公表された。

2次試験の志願者数は41万7283人で前年同時期のデータと比べ5.7%減。内訳は、国立大29万3599人(5.8%減)、志願倍率3.8倍、公立大12万3684人(5.4%減)、同5.6倍。国公立大の志願者数は昨年、8年ぶりに微増したものの、今年は再び減少した。

来年から大学入試センター試験が大学入学共通テストに代わる。その上、今年のセンター試験では主要教科の国語・数学・英語で平均点が下がり、受験生の安全志向を強めた要因が明確だ。これにより強すぎる安全志向から国公立大をあきらめる選択をした生徒が多かったと見られる。

国立大の志願倍率は、前期2.7倍、後期8.4倍。前・後期を合計すると3.8倍で、昨年を0.4ポイント下回った。

主要国立大の志願状況を見てみよう。

旧7帝大(北海道大、東北大、東京大、名古屋大、京都大、大阪大、九州大)の志願者数を昨年と比較すると、いずれも減少した。この中で減少率が最も低かったのは大阪大(1.0%減)。法、基礎工、人間科などは減ったが、昨年20%減った工や、外国語では10%以上増加した。次いで京都大が2.2%減、九州大4.3%減、東京大4.7%減、北海道大6.3%減、名古屋大6.6%減、東北大8.9%減。また、東京工業大は8.8%減、一橋大6.5%減、神戸大6.5%減と、難関国立大はいずれも減少が目立った。

学部系統別で見ても、国立大では志願者数が増えた系統はない。減少率が低いのは、理工系(2.5%減)で、後期日程では増加した大学も多い。減少が目立つのは医・歯系(10.1%減)で、難易度の高さから敬遠された。

公立大は、これまで国立大からの志望変更で志願者増になることもあったが、全体では5.4%減少した。系統別では増加も見られ、理工系(6.5%増)、農・水産系(2.5%増)の人気が高かった。一方、医・歯系は24.9%減と大幅に減っている。

19年に公立大学法人となった公立千歳科学技術大は、20年から前期、中期日程に参加する。志願倍率は前期1.5倍、中期10.1倍となった。