崇城大学が6月23日に東京でパイロット養成について説明会を開催

イベント 大学通信 秋山 亘
崇城大学が6月23日に東京でパイロット養成について説明会を開催

崇城大学(熊本市西区、学長:中山峰男)が、6月23日に東京で工学部宇宙航空システム工学科 航空操縦学専攻の説明会を開催した。

現在、航空需要は世界中で伸びていることに加え、大型機から中小型機まできめ細かい輸送体系の必要性が高まっている。さらにLCC企業の参入などもあって、パイロットの数は不足しているのが現状だ。特にアジア太平洋地域は、2030年には現在の4.5倍のパイロットが必要になると言われている。


また、現役パイロットは40歳から50歳台が多く、今後10~15年で定年を迎えることも、パイロット育成が急務とされる要因となっている。パイロット育成に関して、世界では軍出身者が多数を占めているが、日本では自衛隊からの移籍は限られており、またエアラインが自前で育成するには多大な費用と時間がかかるため、日本の航空業界からは、大学によるパイロット育成に大きな期待が寄せられている。


当日は航空評論家の小林宏之氏、医学博士の福本正勝氏、崇城大学の渡邉武憲氏による講演と個別相談が開かれた。
小林氏は航空業界の現状と、「地球を感じる夢のある職業」としてのパイロットについて、また福本氏はパイロットとして心身ともにどのような資質が必要であるかを説明。パイロットの資質は特別ハードルの高いものではなく、物事への集中力や他者との協調性、バランス感覚など、普通の人でも会得できると語った。ただし、英語力は必須事項であるという。
また渡邉氏は、熊本空港に直結して立地し、大学所有機が14機ある崇城大学の教育内容について説明した。


来場者は親子連れを含め約120人。高校生は男子だけでなく女子も見え、さらに中学生と幅広い参加者を迎えての説明会となった。とりわけ、現役大学生や社会人も来場するなど、将来の目標を再検討してパイロットの道を目指す人も多く存在することが分かった。


学費面では一般の大学よりもかなり高額となるが、大学独自の特待生制度“ミライク”のほか、日本航空による給付型奨学金や操縦士育英会による無利子貸与型奨学金もあり、就職後に自分自身で返済することも可能である。


社会からの期待が大きく、ステータスの高い「パイロット」という職業は、決して手の届かない夢ではないようだ。