静岡文化芸術大学がつむぐ、浜松市北部の昔話と伝説の物語

教育
静岡文化芸術大学がつむぐ、浜松市北部の昔話と伝説の物語

昔話や伝説が語り継がれることで、地域の歴史や文化が次世代に伝わっていく。

そんな想いを持つ静岡文化芸術大学の文化政策学部国際文化学科の二本松康宏ゼミ(伝承文学)では、浜松市北部の中山間地域で、お年寄りから聞き取った昔話や伝説を採録し、書籍として刊行する活動に力を注いでいる。

今年度は、ゼミ生4名の編著による『春野の民話』が2023年3月21日に刊行され、これまでに8冊もの書籍を刊行するなど、その活動は着実に成果を上げている。調査で採録された民話は学術的な位置付けや記録価値を検証し、「民間口承文化財」としての保存と継承を目的として「方言のまま」「語り口のまま」に翻字・記録し、地域の解説などを書き添えて、書籍として編集するという徹底ぶりだ。

2022年度の活動期間には、町内の豊岡地区と宮川地区を訪問し、約80名の高齢者の方にお会いして、昔話や伝説、世間話、言い伝えなどの合計241話を採録。この採録された話は、地域の解説などを書き添えて書籍として編集され、保存されることになる。

調査・編纂にあたったのは、文化政策学部3年の奥理咲子さん、島津華梨さん、中澤明音さん、永田絵美梨さんの4名。彼女たちが地域を回り、昔話や伝説を採録する様子は、和やかで活気ある雰囲気の中で行われた。

静岡文化芸術大学がつむぐ、浜松市北部の昔話と伝説の物語

2022.5.21 春野町豊岡(勝坂公民館)での採録調査の様子

 

調査期間中は、新型コロナウイルス禍による調査規模の縮小やテーマの限定があったものの、自治会ごとの集団採録を再開し、3年ぶりに本来の悉皆的調査が可能となった。

書籍は全国の書店をはじめ、各オンラインショップで購入可能。

書籍情報
『春野の民話』
監修:二本松康宏
編著:奥 理咲子、島津華梨、中澤明音、永田絵美梨
発行:三弥井書店
発行日:2023年3月21日
ISBN 978-4-8382-3405-9 C3039
定価:1200円(税抜)
表紙 画:川嶋結麻(本学国際文化学科卒業生)